うつ病の精神症状

うつ病の基礎知識

うつ病は気分の障害を基本症状とする精神障害ですが、
症状には体の不調を訴える「身体症状」と感情面に現れる
「精神症状」の2つがあります。

ここではうつ病の「精神症状」にはどのようなものがあるのかを紹介します。

うつ病は「気分の障害」とされます。

気分は時々の状況で上向きになったり、沈んだり変化します。

しかし、うつ病になるとこうした喜怒哀楽の変化は起こらなくなります。

「精神運動の停止」はうつ病のサイン

人の気分は、意識的に起こすものでなく、自動的に起こり、変化します。

うれしいことがあればよい気分になり、嫌なことがあれば悪い気分になります。

このような「気分」は自律神経が調整しています。

うつ病になるとこうした気分の変化が起こらなくなります。

うつうつとした気分に支配され、よい出来事があっても楽しくならず、
うつうつとした気分が続きます。

このように心が思うように動かずブレーキをかけられているような状態を
「精神運動の制止」と言い、うつ病の主症状のひとつでもあります。

この精神運動の制止は当然、日常生活にも大きな影響をきたします。

代表的なものとしては、思考の停止や意欲の停止があります。
以下で、うつ病の代表的な精神症状を紹介します。

うつ病の代表的な精神症状7つ

うつ病と考えられる7つの代表的な精神症状を紹介します。

やる気が起きない

意欲が低下し、何をするのも億劫になります。
人と話すのが面倒になり、引きこもりがちになります。
さらには、入浴や歯磨きといった日常生活において当たり前のことも面倒になります。

憂うつになる

理由もなく悲しくなったり寂しくなったりといった、うつうつとした状態が続きます。

イライラ

思考や意欲が低下する一方で、心の中では「~しなければ」
といった焦りが起こっています。
心理的な急き立てにより、イライラといった症状も現れやすくなります。

判断力の低下

うつ病になると脳が機能低下を起こすため、判断力がなくなります。

仕事に優先順位がつけられなくなり、
簡単な仕事から手をつけるようになります。

その結果、重要な仕事ほど後回しになり、やがては業務に支障が出てしまいます。

思考力の低下

うつ病になると、思考力が低下します。
まず、新聞の経済面といった硬いものが読めなくなったり、
読んでも頭に入らず、同じところを何度も読む、といったこともあります。

無感動

感情の中枢が機能低下を起こすため、
趣味や関心ごとが楽しいと感じられなくなります。

放置すれば、最終的にはまったく感情の動きがなくなってしまいます。

集中力がなくなる

うつ病により記憶力や集中力が低下すると、
料理など集中力を必要とする作業が難しくなり、
メニューにバラエティがなくなって、
最終的には料理が作れなくなってしまいます。

身振りや話し方がゆっくりになる

うつ病では脳の機能低下により、思考速度が鈍くなり、
時には停止してしまう場合もあります。

その結果として、身振り手振り、話し方がしだいに緩慢になっていきます。

よくつまずく。階段を踏み外す

うつ病では五感の働きを中心とする感覚認知機能が低下するため、バランス感覚が鈍くなり、左右によろける、つまずくなどの症状が出てしまいます。

記憶力の低下

脳の記録力が低下しているために起こる症状です。

毎日毎日トイレットペーパーを買ってくる、
しまった場所を忘れてしまうなど。

認知症の初期にも見られる症状です。

自分は無価値だと思う

うつ病の一般的によく知られた心理状態です。

うつ病は複雑な思考ができなくなるため、
ものごとを単純に考えようとします。

白か黒かでしか考えられなくなるので、「自分は無価値だ」とか
「死んだほうがよい」となってしまうのです。

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