適応障害とうつ病は似ている・・適応障害とは?

適応障害とうつ病の区別

実際に精神科などでは、「うつ病」と「適応障害」の区別は
紙一重の存在で、区別をつけるのは難しいようです。

「適応障害」の症状は「うつ病」のそれに等しく
ほぼ同じと言ってよいでしょう。

 

適応障害の症状は?

「適応障害」の症状はいずれも「うつ病」に比べて強くはありません。

しかし、どれもストレスに適応できない場合の反応であると言えます。

また適応障害かどうかは、社会生活を普通に送れているかどうか?
にもよります。

適応障害の精神症状は下記の通りです。
不安、抑うつ、焦燥感、敏感、混乱など。

適応障害の身体的症状は下記の通りです。
倦怠感、頭痛、腹痛、
行動面では、遅刻、欠勤、不眠、犯罪など

際立った特徴としては、行動の障害を伴うということです。

万引き、飲酒運転、暴力、無断欠席・無断欠勤、公共の場へのいたずらなど
実際の行動を伴うこと。

ただ10代の世代は、この時期に起きがちな精神的な不安定さから
反社会的な行動や発言などをしてしまうことがあります。

 

適応障害の診断基準

以下抜粋です。

(DSM-IV-TRより)

  • A
    はっきりと確認できるストレス因子に反応して、
    そのストレス因子の始まりから3ヶ月以内に情緒面または行動面の
    症状が出現する
  • B
    これらの症状や行動は臨床的に著しく、それは以下のどちらかによって
    裏付けられている
  • (1)
    そのストレス因子に暴露されたときに予測されるものをはるかに超える苦痛
  • (2)
    社会的または職業的(学業状の)機能の著しい障害
  • C
    ストレス関連性障害は他の特定のⅠ軸*障害の基準を満たしていないし、
    既に存在しているⅠ軸障害またはⅡ軸*障害の単なる悪化でもない。
  • D
    症状は、死別反応を示すものではない
  • E 
    そのストレス因子(またはその結果)がひとたび終結すると、
    症状がその後さらに6ヶ月以上持続することはない
適応障害の主な原因

人間は、普段の生活において大きなストレスになる出来事が発生すると、
身体に様々な反応が出ます。これは普通のことですが、これが適応障害の場合は、
単なる「反応」を大幅に超えて「症状」に至ってしまいます。

誰でもショックな出来事には驚いたり、悲しんだりします。

転職や引っ越しなど、環境の変化があれば
緊張したり不安を感じることがあります。

最初はこのような心の動揺があっても、人間は徐々に
気持ちがこの状況に適応できてきて、環境に同調できたり、
自分の思考を変えてみたりして、
別な楽しみはないか?と考え直すなど問題解決の方法を身につけるものです。

適応障害は、このような出来事への対応や適応が
うまくいかなかったために起こります。

類似している症状とその判断

適応障害で、頭痛、腹痛などの症状を伴うものを、
心療内科では「自律神経失調症」あるいは「心身症」

と呼ぶこともあります。

うつ状態に陥ってしまうようなストレスとの
因果関係や環境が明確でない場合は

適応障害とは診断されません。

【番外編】
IT関連企業に勤めている人は適応障害になりやすい?

IT関連企業に勤めている人は、その仕事上の理由で
適応障害の患者さんが多いと言われています。

仕事量が多く、残業ばかりで会社によっては個人個人が
パーテョーションで区切られており、周りとの会話もなく、
一日中、パソコンに向かっているなど環境的な問題もあります。

また極度の目の疲れや肩こりなど身体的疲労も特徴として
挙げられます。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA