心理療法
双極性障害は、単なるこころの悩みではありませんから、
カウンセリングだけで治るようなものではありません。
しかし、病気をしっかり理解し、
その病気に対するこころの反応に目を配りつつ、
治療がうまくいくように援助していく、
ある種の精神療法が必要です。
こういった精神療法を、医師の立場からは、
心理教育といいます。
(患者さんの立場から言えば、疾患学習という感じです。)
心理教育ではまず、病気の性質や薬の作用と副作用を理解し、
再発のしるしは何なのかを自分自身で把握することをめざします。
再発をほうっておくと自分でも病気の自覚がなくなり、
病院に来ることができなくなってしまいますが、
初期に治療を開始すれば、
ひどい再発にならなくてすむからです。
そのため、再発した時に、最初に出る症状(初期徴候)を確認し、
本人と家族で共有することが大事です。
再発のきっかけになりやすいストレスを事前に予測し、
それに対する対処法などを学ぶことも有効です。
また、規則正しい生活をおくることも、
双極性障害の治療にはよい効果があります。
徹夜を避け、朝はしっかり日の光を浴び、
散歩などの軽い運動をする、といった形で、
できる限り一定のスケジュールで生活することは、
病気の安定化にとても大切です。
筆者が双極性障害を治したのはこの方法に
なります。