双極性障害の症状

躁状態

双極Ⅰ型障害の躁状態では、
ほとんど寝ることなく動き回り続け、
多弁になって家族や周囲の人に休む間もなくしゃべり続け、
家族を疲労困ぱいさせてしまいます。


仕事や勉強にはエネルギッシュに取り組むのですが、

ひとつのことに集中できず、何ひとつ仕上げることができません。


高額な買い物をして何千万円という借金をつくってしまったり

法的な問題を引き起こしたりする場合もあります。


失敗の可能性が高いむちゃなことに次々と手を出してしまうため、

これまで築いてきた社会的信用を一気に失ったあげく
仕事をやめざるをえなくなることもしばしばあります。


また、自分には超能力があるといった誇大妄想をもつケースもあります。

 

 

軽躁状態

双極II型障害の軽躁状態は、
躁状態のように周囲に迷惑をかけることはありません


いつもとは人が変わったように元気で、

短時間の睡眠でも平気で動き回り、
明らかに「ハイだな」というふうに見えます。


いつもに比べて人間関係に積極的になりますが、

少し行き過ぎという感じを受ける場合もあります。


躁状態と軽躁状態に共通していえることは、多くの場合、

本人は自分の変化を自覚できないということです。

 

 

 

 

大きなトラブルを起こしていながら、
患者さん自身はほとんど困っておらず、
気分爽快でいつもより調子がよいと感じており、
周囲の困惑に気づくことができません。

 

 

うつ状態

双極性障害の人が具合が悪いと感じるのは、うつ状態の時です。
筆舌に尽くしがたい、何とも形容しがたい
うっとうしい気分が一日中、何日も続くという
「抑うつ気分」と、


すべてのことにまったく興味をもてなくなり、

何をしても楽しいとかうれしいという気分がもてなくなる
「興味・喜びの喪失」の二つが、うつ状態の中核症状です。


これら二つのうち少なくともひとつ症状があり、

これらを含めて、早朝覚醒、食欲の減退または亢進、
体重の増減、疲れやすい、やる気が出ない、自責感、自殺念慮

といった様々なうつ状態の症状のうち、
5つ以上が2週間以上毎日出ている状態が、うつ状態です。
双極性障害では、最初の病相(うつ状態あるいは躁状態)から、
次の病相まで、5年くらいの間隔があります。


躁やうつが治まっている期間は何の症状もなく、

まったく健常な状態になります。


しかし、この期間に治療をしないでいると、

ほとんどの場合、繰り返し躁状態やうつ状態が起こります。


治療がきちんとなされていないと、

躁状態やうつ状態という病相の間隔はだんだん短くなっていき、
しまいには急速交代型(年間に4回以上の病相があること)へと
移行していきます。


薬も効きにくくなっていきます。


双極性障害で繰り返される躁状態の期間とうつ状態の期間を比較すると、

うつ状態の期間のほうが長いことが多く、
また先述の通り、本人は躁状態や軽躁状態の自覚がない場合が多いので、
多くの患者さんはうつ状態になった時に、うつ病だと思って受診します。


そして病院にかかった時に、以前の躁状態や軽躁状態のことが

うまく医師に伝わらない場合、治療がうまく進まないことがあります。


このように、双極性障害が見逃されている場合も少なくないと思われます。

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