最近では、薬局でも「ドリエル」、「ネオディ」
などの睡眠薬をはじめ、精神科関係の薬が
何種類か売られるようになりました。
「不安なとき」などに効くとされる漢方や
市販の薬も売られています。各職場の健康診断をまわっているときに、
このような市販の精神科関係の薬を
服用している人が多いことを知って
驚いたものです。私も、出回っている市販の睡眠薬、
抗うつ薬、抗不安薬の成分を可能な
限り調べたことがあります。
その結果、病院から処方する薬に比べて
その成分は全て弱く、安全性の面では
問題ないことが分かりました。
しかし、うつ病、睡眠障害を改善させる
ためにはやはり弱すぎて気休め程度にしか
なりません。
それにもかかわらず、その薬を飲まないと
眠れないとか、気分が乗らない、とか
変な意味で薬に依存してしまっている
人が多いのには考えものです。
「ドリエル」という睡眠薬を飲んだにも
かかわらず、寝つきが悪くてイライラして
夜を過ごす人も大勢います。
また、市販の薬をいったん飲み始めてしまうと、
その薬をやめていくタイミングが自分でわからず、
結局いつまでも飲んでいるということに
なりかねません。
病院で処方する薬も、いつまでも飲んでいただく
ものではなく、時期がきたら、タイミングよく減薬し、
中止していきます。
結論を申し上げると、自分でうつ病を治す場合、
市販の薬の助けは一切借りてはなりません。
また、最近では、「気を高める」とかまことしやかに
宣伝している漢方もたくさんありますが、
それらに手を出すのもやめましょう。
それよりも、これまでにご紹介してきたことを
守って堅実な日常生活を送っていくことの
方がうつ病治療には大事です。