この病気は、大まかに統合失調症の症状と
躁うつ病のような感情(気分障害)が
合わさったものとイメージしていただければ
いいと思います。
「幻覚妄想状態」のような統合失調症の
精神病性症状が出現するのは、主に
躁状態の時です。
この「統合失調感情障害」にも
「躁病もしくは躁うつ病」主体のものと、
「抑うつ型」主体のものがあります。
頻度的には、「抑うつ型」の方がはるかに
少ないですが、「うつ症状」が前面に出ている
時には、うっかりすると「うつ病」と
診断されやすいので注意が必要です。
ただ、この「統合失調感情障害」の場合、
病歴の中に必ず、普通ではしないような
行動を取ったり、明らかに妄想に支配
されているというエピソードがあります。
ですから、病歴を詳細に追っていけば
間違って「うつ病」などと診断することは
ないでしょう。
この患者さんに関しては、結婚、出産、
就職など、人生の一大イベントに遭遇すると
急に症状が激しくなるので、気をつけなければ
いけません。
環境が変わることで、精神病性症状が一気に
出現し、うつ症状も普通の「うつ病」に
比べて急激に出てきます。
ですから、患者さんの生活状況を把握しながら、
抗精神病薬、抗うつ薬、気分安定薬などを
巧みに調整していかなければなりません。