うつ病にかかりやすい性格

うつ病にかかりやすい性格として、本などでは
一般的に次の性格例あ挙げられています。

真面目、几帳面、完璧主義、責任感が強い、頑張り屋、

律儀、凝り性、仕事熱心など。

これらの性格は「執着性格」と言われ、精神科医
下田光造が名付けたものです。

また、ドイツの精神科医のテレンバッハにより
「メランコリー親和型性格」とも呼ばれています。

では、これらに当てはまらない性格の人、例えば
自己本位、ずぼらな性格の人はうつ病になる心配なし、
と安心してよいのでしょうか?

答えは、No! です。

そもそも、性格とは持って生まれた「気質」に上塗りされて
できたものです。
そして、この性格も流動的です。

性格は、場所、環境、出来事により、また一緒にいる人に
より影響されて様々に変化します。

人間は、環境、体内ホルモン、年月(時間)、いろいろな
要因に左右される生き物だからです。

ですから、「性格」とよりも「性格傾向」といった方が
適切かもしれませんね。

また、「人格」という言葉も使われますが、これは性格を社会面
から見た要素で使うことが多いので、「性格」とほぼ同義語と
考えられてよいでしょう。

うつ病になりやすいのは、性格ではなく、環境、出来事に対する
反応の仕方なのです。

これからの症例を見ると、様々な人がうつ病にかかっていること
がお分かりになるでしょう。

セドナメソッド:ネガティブな感情から自由に!

胸の中が苦しくなるのはどんな時でしょうか?

例えば、怒りやいら立ちを抑えようとすればするほど
かえって胸の中いっぱいに広がってしまう。


あるいは、不安や恐怖感をぬぐい去ろうとすればするほど、
さらに不安や恐怖感が湧き出して止まらなくなってしまう。


ネガティブな感情や気分は、無理に抑えつけたりぬぐい去ったりして、
それが無かったかのように振る舞うと、
逆に雪だるまのように心の中で大きくなって、
手がつけられなくなってしまうことがあります。

アメリカで生まれたセドナメソッドはそんなネガティブな感情や気分に、
直接向き合って、それを一気に解き放つことを目指すエクササイズです。

準備:感情を握りしめる

さっそく、セドナメソッドのエクササイズの準備から始めましょう。

A1) 床に立つか、椅子に座るかの姿勢をとります。深呼吸を2-3回して気持ちを落ち着けます。


A2) 消しゴムか、小さなボールのような、何か壊れにくい小物を準備して、
片手で頑握りしめます。


A3) この固く握った手の中の消しゴムに意識を集中して、
今のネガティブな感情(例えば不安感)を消しゴムの中に込めます。


あたかもそのネガティブな感情が手のひらの中の
消しゴムそのものであるかのようにしっかりとイメージして感じましょう。

《手放す》感覚をつかむ

A4) 消しゴムの中にその感情を十分に込めて、その感情を、
手のひらの中で十分に感じ取ることができたら、息を吐きながら手を開きます。


A5) 消しゴムが床に落ちるのを見て聞いて感じてください。

消しゴムとともに、ネガティブな感情が床に落ちるのを見て聞いて感じてください。
深呼吸をしながら、消しゴムが落ちてしまった後の、
手のひらに残った感覚を十分に味わってください。

これが《手放す》という感覚です。

消しゴムを手放すという感覚と、感情を手放すという感覚が
同じ感覚として感じられるようになるまで何度か繰り返してみましょう。

A6) 次に、目をつぶってやってみましょう。
1)-5)を、何も見ないで繰り返します。


最後の、消しゴムが落ちてしまった後の、
手のひらに残った感覚を十分に味わってみましょう。

《手放す》感覚がさらに敏感に感じられるはずです。

消しゴムも手放した感覚と感情を手放した感覚が同じ感覚として
感じられるようになったでしょうか?

深呼吸しながら繰り返して練習してみましょう。

A7) 次に、消しゴムなしで、同じエクササイズをやってみましょう。
手を握りしめるだけです。
ただし、手のひらには、消しゴムとそれに込めた
ネガティブな感情が、あたかも握りしめられているかのように想像してください。

  • 思いっきり力を込めて握ります。
  • 息を吐きながら手のひらきます。
  • 手のひらから消しゴムと感情がすべり落ちていくの感じましょう。

ゆっくりと深呼吸しながら、手放した後の感覚が手のひらに残っているのを感じます。

この《手放す》感覚、解放する感覚を
手のひらで覚えておいてください。

今後のエクササイズを行うごとに、この《手放す》感覚を思い出してくだい。

セドナメソッド:4つの質問で《手放す》

それではセドナメソッドの感情を解放するエクササイズの本編に入りましょう。

B1)ネガティブな感情を思い起こす

まず最初に、自分にネガティブな感情を引き起こした出来事を思い起こしましょう。
最初のうちは、練習のために、あまり重くない問題を思い起こすようにしましょう。
例えば、職場でいつもイライラさせられるお客さんのこと

  • 今、それを思い起こしてどう感じますか?
  • 現実の時と同じように、イライラしますか?
    あるいは思い起こした時の方が、現実の時よりももっとイライラしますか?
  • そのイライラした感情をじっくりと確認しましょう。

B2) ネガティブな感情を手のひらに握りしめる

今、このネガティブな感情が自分自身の現在
抱えている感情であるということを確認しながら、
握りしめた拳の中に込めるようにしましょう。


これを自分自身の感情として、拳の中でしっかり受け止め、
認め、味わい尽くしましょう。

B3) 最初の質問

こぶしを握りしめたまま、自分自身にこう問い掛けます。
声に出して戻さなくても構いません。


「この感情を受け入れることができ、ここに存在することを許せますか? 」

その答えは?
あれこれ考えずに、即座に直感的に答えてください。

イエスでもノーでも構いません。


答えがどちらであっても、このエクササイズの効果は変わりません。
1)-2)でネガティブな感情を自分のものとしてとらえ、
それを3)で質問することによって、
このネガティブな感情を受け入れる姿勢が整います。

B4) 2番目の質問

次に、拳を握りしめたまま自分自身にこう問い掛けます。

「この感情を手放すことができますか? 」

その答えは?
これも、あれこれ考えずに即座に直感的に答えましょう。

イエスであってもノーであっても構いません。


その感情を手放すことがなかなかできないでいるという
自分自身を感じていれば、ノーかもしれません。

逆にいつでも簡単に手放すことができるものなのだと感じているのであれば
イエスかもしれません。

このようにして、このエクササイズは、
ひとりでやりとりする一人芝居のように進めます。


この一人芝居は、自分が抱えるネガティブな感情をめぐって、
その扱いをどう感じているのか、どうしようと思っているのか、
自分で自分に問いかける形で進められます。

B5) 3番目の質問

今度は、握り締めた拳に向かってこのように問いかけます。

「この感情を手放してくれませんか? 」

その答えは?
それが望ましいか望ましくないかというような理屈は考えずに、
直感的に即座に答えてください。


イエスかもしれませんしノーかもしれません。


握り締めた拳はあなた自身です。


執着があって手放してくれないかも知れませんし、
簡単に手放してくれるかも知れません。

B6) 最後の質問

最後は、自分に向かってこう聞きます。
「いつ?」
「いつ、手放してくれるのか?」という質問です。

簡単に手放してくれるというのであれば、
「今!」というのが答えになるかも知れません。

B7) 「今!」手放す

答えが「今!」なら、答えると同時に、握りしめていたこぶしを開きます。
「今」手放すのです。
手放しながら、感情が手のひらから滑り落ちていくのを感じましょう。

B8) 今!は無理?

今は無理と感じているのなら、答えられなくても構いませんし、
「今夜、寝るまでに」と答えてしまうかもしれませんが、
それはそれで意味があります。

しっかり自分の直感的な答えを受け止めましょう。

感情から自由に

この一連のエクササイズで、拭いきれなかった感情を
多少解き放ったような体験ができたでしょうか?


感情に囚われて縛り付けられていた自分が
囚われから自由になったような感覚がありますか?


感情がからの解放感が得られ、自由になった気がするまで何度か繰り返してみましょう。

感情を手放すことに上達する

最初はなかなか上手く手放せないことも多いでしょう。

特に重要なのは、

  • B1)「ネガティブな感情を思い起こす」で、
    まず最初に自分の感情をとらえること、
    そしてそれに気づきじっくり見極めること。
  • B2)「ネガティブな感情を手のひらに握りしめる」で、
    その感情を、自分の内側から湧きだしたものとして認め、
    その存在を許すこと

です。

これも1)-2) のサイクルを繰り返すうちに、
だんだんと身につけていくことができるものです。


このエクササイズの繰り返しで、1)-2) が容易にできるようになると、
3)以降の感情からの解放は、それに伴って
ずっとうまくできるようになってくるものです。

徐々に厄介な感情も手放す

はじめのうちは、練習として、あまり重くない問題をいくつか思い起こして、
そのときに起こるネガティブな感情を手放す練習を重ねます。


あまり重くない問題で起こる感情を手放すことができるようになったら、
少しずつ重い問題で起こる感情や厄介な感情も対象にして練習してみましょう。

日常生活に使う

また、日常の生活の中で起こる色々な出来事で、
ネガティブな感情が湧き起こったら、その度に、
このエクササイズを試してみましょう。


いつでもどこでもこのセドナメソッドが使えるようになってくると、
仕事や生活の中でとても役立つツールになってきます。

 

やる気がなくても何とか始める3つのコツ

人間の「やる気」には、そもそも限りがあるという話を前の記事で書きました。
「やる気」を使っていけばどんどん消耗しますが、
「やる気」が補充されるペースはゆっくりとしています。


「やる気」の総量に限りがあるのなら、
補充されるゆっくりしたペースに合わせて
「やる気」を効率的に使う必要があります。

今回の記事では大きな「やる気」をいちどに出さなくても、
ちょっとした小さな「やる気」で行動を起こしたり、
無理なくやり抜いたりするためのコツを紹介しましょう。

《1:できるだけ小さく》最小限のやる気で踏み出せる一歩

何を始めるにあたっても、特に最初の一歩を踏み出すのは「抵抗」があります。

最初に一歩を踏み出すだけのやる気は出せるか?
そこまで自信がない、やる気も出ないという人もいるでしょう。


それでは最初の一歩に集中しましょう。

やろうと思っていること、やらなけらばならないことは、
やる気が無いときでも、一歩でも進められるようにハードルを下げるのです。


最初の一歩は簡単に踏み出せるような、できるだけ低い目標設定にするのです。

たとえば、ウォーキングを習慣にするための最初の1歩は、
「ウォーキング用の靴を履く」だけにします。


1日目は靴をはいて終わり。

2-3分、履き心地を味わったら、そのまま靴を脱いで、部屋に戻っても構いません。
これが出来たら、祝杯を上げても良いくらい重要な一歩です。

2歩目は、最初の一歩の後の最初の一歩

1日目に靴を履くことができたら、
2日目は「それをはいて家の前まで出る」だけにします。


これもまた小さな1歩です。


1日目の最初の一歩の後にやってくる最初の一歩です。


履いたウォーキングシューズで家の前まで出るのもまた、
靴を履くのと同じくらい簡単なステップです。


このようにして一歩を二歩に二歩を三歩にと少しずつ増やしていけば、
大きな「やる気」を出す必要が無くなるのです。


これぐらい小さなやる気だったら、一日立てば十分に回復できるペースです。

3歩目も4歩目も小さな一歩、大きな目標に挑戦しない

こうやって、3歩目も4歩目も小さな一歩を積み重ねていきます。

ウォーキングといえば、20分とか30分とかやらなければ意味がない、と
考えるのは他人の価値観に振り回され過ぎています。


最初から大きな目標に挑戦すると、大きな「やる気」を消耗してしまいます。


始める前から、どんなウェアを着ていったらいいだろうかとか、
歩きながら音楽を聴いたほうがいいだろうかとか、
出来るだけ気持ちの良いコースを歩くにはどこに行ったらいいだろうかなどと、
頭の中でたくさんの小さな決断をしなければなりません。

たくさんの決断をしなければ、ちいさな「やる気」は続けられる

たくさんの決断をすると、たくさんの「やる気」を使い切ってしまいます。

その結果「めんどくさい」という気持ちが芽生えてしまいます。


「めんどくさい」という気持ちを乗り越えるためは、
大きな「やる気」を消耗する必要があり、結局、終いには
「やる気」をブロックしてしまうのです。


最初のー歩、その次の一歩と積み重ねていく一歩一歩を、
できるだけ小さく区切って、
「やる気」がなくてもできるような単位にまで落としておくこと。


一歩のハードルの高さを最初のうちから低くしておくことがコツです。

《2:2分間で》惰性で続けられるステップ

この「一歩」は2分以内に済ませられる程度にまで、
簡単に短いものにしておくのが良いとされています。


人間の瞬発的な「やり抜く力」の限界は2分程度だからです。


2分程度で、とても短い簡単な課題をこなすことができれば、
小さな成功体験が成果になり、心理的な「報酬」になります。


小さな報酬であっても、それは次の行動への「やる気」の補充につながります。

やる気を2分間以上維持できるか?

瞬発的な「やりぬく力」は最大2分しか持ちません。

大きな「やる気」を出す必要もなく、小さな「やる気」だけで、
その次の行動に結びつけて続けていくには、「惰性」が必要です。


先程のウォーキングの例で言えば、実際のところ、
靴を履いてちゃん家の外に出てしまえば、
その先10メートル歩くのに、ほとんど「やる気」を絞り出す必要はありません。


さらに、 10メートル歩いたら30メートルさらに歩くのにも、
ほとんど「やる気」が必要ありません。


人間は、いったんある行動を始めて少しでも継続すると、
その後は大きな「やる気」も強い意志も必要なくなり、
とてもわずかな「やる気」と「惰性」だけで、
行動を続けることができるものなのです。

《3:じゃま者を消せ》やる気と惰性の障害物

もっとも、そんな行動は「惰性」で続けているので、
目の前にちょっとした障害物が立ち塞がると、
あっという間にストップしてしまいます。


障害物を乗り越えるのには、大きな「やる気」と
強力な意思の力を必要としてしまい、挫折してしまうことがあります。


そういった障害物はできるだけ事前に排除しておきましょう。


今やろうとしている事に関係のないじゃま物や
余計な考えは視界の片隅や頭の中の片隅にあるだけでも、
いつ「惰性」を止めてしまう障害物になるとも限りません。

例えば、会社での事務作業でいえば、作業の気が散ってしまう環境を排除しましょう。

  • 今の作業に関係のない机の上のすべての書類や物
  • メールボックスにたまっている未読のメール
  • 開封していない郵便物
  • 棚に置いてある過去1年以上使っていないもの
  • PCの画面の片隅で開けっ放しにしてあるFacebookやTwitterのウィンドウ
  • 15分ごとにメールボックスを見に行く事

そして頭のなかにある、「やらなくっちゃ」リストも…
紙に書き出して10行以上あるようだったら、それは、
頭のなかの「やる気」をブロックし始めています。

前の記事に書いたように、徹底的に「やらないリスト」に
移し替えてふたをして見ないようにしましょう。

このようにして、小さな一歩を踏み出せる小さなやる気さえあれば、
小さなスタートをすることができ、後はわずかな「惰性」で
小さなステップを積み重ねていくことができます。

 

死を受け入れる、選ぶ、天に任せる

今回はちょっと深い話….

● 死を受け入れること、
● 死をコントロールすること、
● 死を自ら選ぶこと、
そして
● 死を天に任せること
について書きます。

ちょっと暗いですが、きっとすっきりする話です。

死を受け入れる

死は誕生することと並んで人生最大のイベントです。
死は自分の肉体と精神が無くなる出来事です。
死は人間にとって最大の恐怖です。

死を受け入れる準備を整えるということは、
生きている間のどんな困難や苦痛も受け入れられる
態勢を整えるということにもなります。


例えば愛する者の死を受け入れられれば、
自分の死に対しても受け入れる態勢が整うということになります。


ここで、死を受け入れる5段階を学びなおしておきましょう。

キューブラー・ロスの死の受容5段階

キューブラー・ロスが、不治の病で余命宣告を受けた
沢山の人たちの心理過程を調査・観察してまとめたものが「死の受容の5段階」です。


死にゆく人たちは、次の5段階のプロセスを経て、
間近に迫った「死」を受け入れて死んでいくというものです。


《第1段階 「否定」》

不治の病あるいは余命を宣告されるとそれを認めず、
まずは「自分は死ぬはずがない」と否定します。

「何かの間違いで、身体の一部分だけの問題のはずだ」とか
「試していない新薬が劇的に効いて治るかもしれない」といった希望で、
なんとか事実を捻じ曲げようとしたりします。

《第2段階 「怒り」》

「なんで自分がこんな罰を受けなくちゃならないんだ?」とか
「医者は何をしてくれたんだ?」とか
「神はなんてひどい仕打ちを自分にだけするのか?」などと
怒りを自分の周りや社会や神に向けます。


《第3段階 「取引」》

何とか助からないか?余命を引き延ばせないか?と取引をしようと試みます。

「神に仕えて正しい行いだけをして人生を出直すから
何とか命だけは勘弁してほしい」とか、あるいは

「手足は持って行って構わないから頭と体だけは残して欲しい」などと
死と引き換えの取引を試みます。

また「冷凍にしておいて未来に治療法が発明されたら解凍して治してくれ」とか
「全財産を寄付しますから神の力でなんとか治してください」
といったようなありえない話にすがって助かろうとします。

《第4段階 「抑うつ」》

取引してもそれが成立しないと分かると、
意識が自分の内側に向かいます。

人生のはかなさ、運命の女神のそっけなさに対して失望し、
虚無感や無力感を感じます。

深い抑うつ状態に陥って何もやる気が起こらず、
何にも興味が持てなくなります。

絶望感や悲しみが噴き出してきます。

《第5段階 「受容」》

無力感・絶望感と悲しみを繰り返しながら、
徐々に死を受け入れる態勢に入ってきます。


最終的には、望みも悔いもなく、悲しみも喜びも怒りもなく、
感情的に安らかな状態に入ります。


人間的な煩悩を捨てきった心理状態、いわば悟りの境地に達するのです。

すべての人がこのような死に方をするとは限りませんが、
一般的にこのような段階を踏んで、
人は死んでいくものなのだという理解はしておく方が良いでしょう。

死のコントロール

死とは自分の肉体と精神が無くなる出来事です。

誕生の瞬間を記憶していてその経験を語れる人はほとんどいません。


同様に死を経験して語れる人はほとんどいません。


自分の誕生を自分でコントロールすることが出来る人がいないのと同様に、
自分の死をコントロールできる人も一人もいません。

自殺について

抑うつ感はあまりにも深まると、やがて希死念慮を誘発しがちです。

あらゆるものから解放されたい、そのためにすべてを投げ捨ててしまいたい。

余りにも苦しく、その苦痛の源が自分自身の精神であり、
それが自分の肉体に宿っていることが明らかなので、
肉体もろとも精神とその生み出す苦痛を消滅させようという
行為に走りたくなります。


自殺者は、苦痛から逃れるために、自らの命を経ちますが、
だからと言って、死をコントロールできている訳ではありません。


なぜなら、一旦命を絶つと後戻りさせることができないのです。
コントロールできてるとはとても言えません。

「死」はすぐに必ずやってくる

なぜ生きているのか?とあなたは問いかけます。

なかなかの難問です。


なぜ生きているのか?すべての人それぞれのケースに対して
1つの答えを返せた人は、だれもいません。


必ず人生は死をもって幕を閉じるということは、
生きるという事自体が死を「行き先」にしています。


いずれにせよその「行き先」には誰もが間違いなく必ず到達できます。


その「行き先」にたどりつくためには何の努力もする必要もなく急ぐ必要もありません。


放っておけばその「行き先」には必ず到着できるのです。

行き先=「死」にたどり着いたら

この「行き先」の厄介な点は、いちどその「行き先」に到達したら
次の「行き先」を設定することも出来なくなるし、
次の「行き先」に向けて努力することもできなくなってしまうという点です。

「行き先」に一旦到達してしまえば、
何をすることもできなくなる。

感じることも考えることもできなくなります。

あなたが今、何もしたくないし、何もできないし、
何も感じたくないし、何も感じることもできないし、
何も考えたくないし、何も考えることもできない、という状態だったとしましょう。


死んでしまえば何もすることもなくなるし感じることも考えることもなくなる、
だから死んでしまった方がいいと、あなたは考えているかもしれません。


確かにその通り、だったら死んでしまった方がいいかもしれません。


でもそれは、、運命が確実にやってくれます。
それは運命の仕事です。

あなたの仕事ではありません。

死への到達を天に任せる

死ぬのだったら、その「行き先」への到着は、天に任せておけばいい。

放っておいてもその「行き先」は、
明日やってくるかもしれないし、
1週間あるいは1ヶ後あるいは1年後にやってくるかもしれないし、
少なくともほぼ確実に100年以内には必ず到達できるのです。

「行き先」への到達をいつにするかは天に任せて、
とりあえず3週間、あるいは3ヶ月、最大3年間
がまんして様子を見てみましょう。

うつ病の症状!どんな経過をたどって良くなる?

苦しいうつ病の症状は、いつどんな経過をたどって良くなっていくのでしょうか?
アップダウンを繰り返してばかりで、ますます気が滅入るばかりでしょうか?
回復に向かっている感覚がハッキリと自覚できないのでとても不安になっていますか?
うつ病の症状も時間が経過して数週間から数ヶ月経つとかなり変わってきます。
一旦回復しても再発するリスクがとても高いと言われているのも不安の一つです。

今回の記事では、

・ うつ病の症状:気分のアップダウンの進み方
・ うつ病の進行にしたがって変化する症状
・ うつ病の症状から回復するまでの時間
・ 回復後もうつ病の症状が再発・再燃する可能性

について取り上げてみました。

項目うつ病の症状:気分のアップダウンの経過

うつ病の症状がどう進行するかを気分のアップダウンで表現したグラフにしてみました。
気分のアップダウン640
うつ病の症状にはいろいろなものがありますが、ここでダウンと言っているのは、
苦しい辛いとてもイヤな気分のレベルだと考えてください。

グラフでの一番底のレベルは、死にたいほど苦しくて辛い、
何もせず目をつぶって横になっていてもどうもがいても
とにかく苦しくて辛いといった最悪のレベルと考えてください。

■ うつ病の初期:急進期
・ アップダウンが徐々に激しくなってき、
・ 悪化するにつれてアップダウンの幅が大きくなり、
・ しだいにダウンしたときの気分がさらに深くなっていきます。

■ うつ病まっただ中の重症期
・ 気分は深くダウンしたままで、アップダウンがあまり感じられません。

■ うつ病の後期、回復期
・ 時々気分が多少アップし始めるのが感じられるようになります。
・ しかしアップとダウンが繰り返され、敏感で不安定な時期です。

■ うつ病の最終段階、寛解期
・ 激しく落ち込む、長い時間ダウンしたまま、という状態がほとんど無くなってきます。
・ しかしまだ完治というわけにはいかず多少の緩やかなアップダウンが続きます。

このアップダウンの経過には、いくつものパターンがあります。
実際の時間的な経過は、このグラフと違って後ろの過程が間延びしてしまいやすい。

急進期は1~3ヶ月とばらつきがありますが、
その後の重症期は数ヶ月から1年にも及ぶ場合もあり、
さらにその後の回復には数ヶ月で済む人もいれば数年から十数年かかる人もいます。

時間的な長さだけでなく深さのレベルでも、
人によってそのパターンはかなり異なります。

さらに、同じ人でも、何年かおきに繰り返しうつ病を発症する場合、
そのたびに異なるパターンの経過をたどることも多いのです。

また、このグラフに示した重症期のパターンと違って、
急進期や回復期と同じようなアップダウンを
更に何度も何度も繰り返すというケースも珍しくありません。

この点、双極性障害とも見分けがつかない症例になります。

項目うつ病の自覚症状:どんな経過をたどって変化していくか?

まずは、うつ病が悪化していく過程で自覚症状がどんな経過をたどるか?

まずは症状が悪化していく際の一般的なパターンを見てみましょう。

急進期に入る前あたりから、
・ ちょっとしたことでイライラしたり怒りっぽくなる
・ 焦りや不安感を感じやすくなる
といった不安定な気分になり始めますが、
普段の自分と比べてちょっと変だぞとはっきり自覚しているケースは稀です。

その後、急進期に入ってくると、だんだん自分でもはっきりと
自覚できるような症状が現れてきます。

例えば..
・ 憂うつな気分から抜け出せない
・ 不安な事が気になって眠れない
・ 今まで興味を持っていたものが面白くなくなる。
・ 異性に興味がなくなり食べ物が美味しく感じられない
・ 気力が続かない。・日常的な日課や習慣もだるくてできない。

insomnia250重症期には
・ 夜になっても眠れず、朝起きれない。あるいは一日中眠い
・ いくら眠っても休んでも、疲労が回復しない
・ 自分が無意味で無駄な存在に感じられる
・ 死んでしまいたいと感じる

回復に向かう際のパターンとしては….

回復はこれらの自覚症状が、行ったり来たりを繰り返しながら、回復してきます。
・ 焦りや不安が無くなってくる
・ 憂うつ感が薄らいでくる
・ 気力や粘り強さが出てくる
・ 以前はおもしろいと思っていたことに興味が戻ってくる
・ うれしいことが見えてくる

最終的に寛解のレベルにまで回復してくれば、多少のアップダウンは自覚しながらも
・ 自分で次の行動が決断できるようになる。
・ 日常の日課や習慣に対しておっくうに感じることが無くなる
・ 人間関係や仕事や勉強に対して積極性が出てきて、自分から行動力できるようになる

こうした回復のサインを見逃さず、希望の火を温め続けましょう

項目うつ病の症状:時間経過どこまで回復?

うつ病の症状から回復するのにどれぐらいの時間がかかったかを調べたところ、
ある調査では

maze in brain・ 3ヶ月で回復した人が全体の10%
・ 6ヶ月以内に回復した人が全体の50%
・ 1年以内に回復した人が65%
・ 2年以内が80%
・ 3年以内が85%
・ 4年以内が90%

という結果でした。

うつ病はよく「心の風邪」などと言われていましたが、
回復までの時間で見る限り、風邪よりはるかに長い時間がかかる病気だという事を
よく理解しておく必要があります。


しかし2年から4年以内には、8割から9割の患者が回復しているので、
再発防止や予防治療、そして根本的な「心の体質改善」を
根気よく続けることが何よりも大事です。

項目うつ病の症状:再発・再燃の経過

回復~寛解後の症状の経過として、再発する可能性にも十分な注意が必要です。
回復~寛解後、1年以内で4~5割は再発する、
また一生のうち 8~9割の確率で再発するという統計もあります。


再発は更に再発を繰り返す傾向にあります。
再発するごとにまた再発する率が高くなるのです。

たとえばある調査では

・ 1度うつ病になった人が、2度目を再発する率は 50%
・ 2度うつ病になった人が、3度目を再発する率は 75%
・ 3度目以降のうつ病の人が、次に再発する率 90%

という結果でした。

注意と同時に、この病気とつきあう「覚悟」や、
ともに暮して生きていく「知恵」が必要になるでしょう。

 

うつ病の症状が自転車で軽くなる7つの理由

「どう考えても自転車はうつ病に良い」というツイートを見かけました。

「その通り!」と早速リツイートしました。
自転車がうつ病の症状を軽くする理由はいくつもあります。

ツイートの140字ではとても書き切れません。

「どう考えても」とは、どういうことなのでしょう?
いくつも理由があるということが言いたいようです。

「自転車はうつ病に良い」

と言っているのは、言い換えれば、
「うつ病の症状に悩まされている人が自転車に乗って出かけたり
サイクリングしたりすれば、うつ病の症状が軽くなったり回復に効果がある」

と言っているようです。

今回の記事は《うつ病の症状が自転車で軽くなる》
その7つの根拠についてじっくりと書いてみました。

項目① 日光を浴びる

=うつ病の症状が自転車に乗って軽くなるわけ

サイクリング自転車に乗る場所は普通は屋外です。
しかも雨や雪の日には乗らないのが普通です。


晴れている日に自転車に乗れば、ほぼ確実に
日光を浴びることになります。
曇っていても太陽の光は雲を通して届きます。


日光を浴びれば、人間の脳内では神経伝達物質セロトニンが分泌されます。


セロトニンは、幸福ホルモンとも言われ、
幸福感を感じている時に脳内で分泌される物質です。


うつ病を患っている人は、セロトニンの分泌が不足しているので、
幸福感を感じにくくなっているのです。


逆に言うと、セロトニンの分泌が促進されれば幸福感を感じやすくなり、
うつ病の症状である抑うつ感や悲愴感が軽くなるわけです。


つまり、自転車に乗る→日光浴びる→セロトニンが分泌される→うつ病の症状が軽くなる、
そんな連鎖の効果が期待できるのです。

身体に日光を浴びれば、体内でビタミンDが生成されることは、よく知られています。

最近の研究では、ビタミンDも、うつ病の症状から回復するのに
効果をもたらすと言う結果が報告されています。


自転車に乗って日光を浴びれば、
神経伝達物質セロトニンとビタミンDの両方が、
うつ病の症状を癒す力となってくれるのです。

項目② 風を感じる

=うつ病の症状が自転車に乗って軽くなるわけ

普段の生活では感ずることのない感覚を味わうことができます。
顔に風が当たるとその感覚でスピードを感じることができます。


そんな非日常の感覚が、うつ状態で感じにくくなっている感性に
刺激を与えてくれ、周りからの刺激をとらえようとする本能を回復させてくれます。

項目③ 血行が良くなり、体温が上がる

=うつ病の症状が自転車に乗って軽くなるわけ

自転車を漕ぐのはウォーキングと同じように負担の少ない有酸素運動になります。

心拍数が上がり、呼吸が大きくなり、酸素をたくさん吸収して、血行が良くなります。


これによって体温も上がります。


体温が上がれば、身体の免疫力が高まり、病気からの自然回復力も高まることになります。

項目④ 下半身の単調な回転運動

=うつ病の症状が自転車に乗って軽くなるわけ

家族で自転車単調な回転運動をしばらく続けることによって、
浮かんでは消える色々な雑念に精神が
振り回さていれる状態から解放されます。


しかも、この単調な回転運動を続けなければ、
進むこともできなければ真っ直ぐ立っていることも
できないので、否応なしに運動を続けなければならない。

ひたすらペダルを踏むことに集中せざるを得なくなります。

これによってフロー状態(一つのことに「熱中」した状態)に入りやすくなります。


また、感覚が研ぎ澄まされてマインドフルになりやすくなります。

マインドフルというのは、いまこの瞬間にここで起こっていることに対して感覚が鋭敏になり、自分の思い癖や感じ方の傾向を遠目に見下ろす状態です。

精神がフロー状態やマインドフル状態になると、
うつ状態とは全く違った感覚を覚えることができます。

無心の状態になり自分から浮き上がっているような感覚を覚えることもあります。

項目⑤ バランス感覚が三半規管を刺激

=うつ病の症状が自転車に乗って軽くなるわけ

自転車を走らせるにはいつも無意識のうちにバランスを保っていなければなりません。
身体は無意識のうちに、体のバランスセンサーである
三半規管からの信号に注意を傾けていることになります。


これは普段の生活ではあまり経験しない状態です。


バランス感覚が無意識のうちにフル活動している状態になると、
人間の脳はより本能的動物的な活動にエネルギーを集中することになります。


このことによって、逆に、ふだん色々な雑念に振り回される意識的な精神は、
その活動を休むことができます。

項目⑥ 毎秒変わる目前の事態に直感的・動物的に反応する

=うつ病の症状が自転車に乗って軽くなるわけ

自転車に乗ると、バランス感覚だけでなく、
目の前に次々に起こる色々な事態に即座に反応するという事にも、
神経を集中しなければなりません。


これには一瞬の判断が要求されるので、
ここでもまた直感によって本能的・動物的に反応する必要が出てきます。


このようにバランス感覚をフル活動させたり、
目の前の事態に即座に反応したりすることによって、
脳の中の活動が健康なバランスを取り戻すことになるのです。

項目⑦ 脳内麻薬が分泌、ナチュラルハイに…

=うつ病の症状が自転車に乗って軽くなるわけ

①~⑥で挙げたような、身体の心拍・呼吸・血行の上昇、
またバランス感覚や本能的・動物的反応の活動、
精神のフロー状態やマインドフルな状態、
これらがバランスよく穏やかに高まってきたとき、

脳の中ではいわゆる「脳内麻薬」という物質
(β-エンドルフィンやドーパミンなど)が分泌されて、
ナチュラルハイになりやすい状態になります。

うつ病の症状である抑うつ状態は、
繰り返されるストレスや長時間に及ぶ疲労などによって、
脳がそれ以上の強い刺激をブロックしようとする、一種の防衛反応です。


頑なにその防衛反応で固まっているうつ状態の脳内で、
少しでも「脳内麻薬」と呼ばれる物質が分泌されるようになれば、
その硬い防衛反応も少しずつ解け始めるのです。

自転車に乗って風を切って漕ぎ出せば、
身体も精神も健康を取り戻し、
また少しずつ喜びに満ちた世界を広げていくことができるでしょう。

これは自転車だけに限られたことではありません。

無理なくできるようであればジョギングなども
この例に反しません。

できる範囲内で積極的に取り組めば
効果は絶大です。

 

うつ病は食事で治る?うつに効く食べ物・食べ方

食事のさい、何を食べるか、どう食べるかで、
うつ病をいやしストレスに耐える力を養うことができます。

mindful eating食べることは、生物としての人間の最も重要な本能の一つです。
食事は、毎日の当たり前になりがちですが、最大事な生活習慣の一つでもあります。

● 何を食べるか
● どう食べるか
この2つの要素で、人間の肉体と精神が作られているといってもいいでしょう。

うつ病で食事から消えるもの

うつ病が重くなると食事が楽しくなくなります。
本能的な欲求が弱くなってきて、食欲がなくなるのが普通です。
うつ病にかかると、感覚も鈍くなりがちで、
食事の際、おいしさが感じにくくなり、
何を口にしても味が感じられなくなります。


うつ病が食事に及ぼす典型的な症状です。

逆に、食事の内容(食べ物と食べかた)も、うつ病の症状に大きな影響を及ぼします。
食べ物や食べ方は、脳の生理的な機能や精神的な活動や感情/情緒と密接な関係があります。
うつ病は、食事(食べ物と食べ方)を変えることによって、
改善する可能性が非常に高いのです。

うつ病を食事で治す:

うつ病を治す食事(食べ物と食べ方)について、
精神医学、栄養学、脳科学、心理学の様々な研究がなされています。


何を食べるか、食べないか、どう食べるか、どんな習慣を手放すべきか、
効果の高いものを紹介しましょう。

血糖値の乱高下させない食事

食事の後の血糖値のアップダウンが「うつ」状態を引き起こし、
うつ病にもつながるという研究が最近非常に多くなりました。


逆に、血糖値が安定していると、心の状態も安定しやすくなります。


血糖値のアップダウンは「食べるもの」と「食べ方」によって大きく影響されます。


仕事や人間関係などと違って、「食べるもの」と「食べ方」は
日常生活の中で、比較的コントロールしやすい領域ではないでしょうか?

血糖値が急上昇した後は、低血糖症に

食べ物を食べた後、血糖値が急に上がる食べ物と食べ方があります。

血糖値が急激に上昇すると、身体はこれをコントロールしようとして、
インスリンを分泌し、血糖値を抑えこもうとします。


これによって逆に、血糖値が急激に落ち、「低血糖」状態に陥ります。


低血糖値になると、脳に十分な糖分が供給されなくなり、
次のような「うつ」状態でよく見られる症状に陥る事があります。

  • 憂鬱な気分になる
  • めげる
  • 落ち込む
  • めまいがする
  • ぶらつく
  • イライラする
  • 怒りっぽくなる
  • めざめが悪くなる
  • 眠くて頭がボーッとする
  • よく眠れない
  • 決断できない
  • 判断できない
  • 記憶できない
  • 思い出せない

昼食を食べた後、午後一番.職場に戻っても
眠くてしばらく仕事にならないという人は
低血糖症の疑いがあり、要注意です。

血糖値を上げる指標=GI値

血糖値を上げる栄養素は、糖質です。

その指標がGI値=グリセミック・インデックスです。


糖質それ自体は、エネルギーの源泉ですから、欠かすわけにはいきません。


特に脳細胞はそのほとんどの活動のエネルギー基本を、糖分に頼っています。

十分な糖質の供給が必要ですが、急激に上昇させるのは健康的ではありません。
ゆっくりと上昇させることが大事なのです。

同じカロリーを摂取するにしても、血糖値を比較的ゆっくりと
上昇させる食べ物と急激に上昇させる食べ物があります。


ブドウ糖を100としたときに、これと比較して
血糖値をどれくらい急上昇させるか?という指標が
GI値(グリセミック・インデックス)というものです。

GI値の高い食べ物を避け、低い物を選ぶ

まずは砂糖や甘いお菓子を避けましょう。

お菓子やデザートに使われる精製された白砂糖は、
非常にGI値が高く、食べた瞬間は甘味と血糖値の上昇で、
一瞬ハッピーな気分になるような気もしますが、

その後、低血糖状態に陥りやすく、
心の健康には好ましくない食品といいます。

主食のご飯(米)やパンはどう食べる?

また、主食として口にするご飯やパンも、
GI値という観点からは、好ましい食べ物とは言えません。


どうしても飯が食べたければ、真っ白な食パンではなく、
穀類が入っていたり小麦粉の精製が荒いもの、
例えば、全粒粉パンやライ麦パンや胚芽パンにすると、
通常の白い食パンよりGI値が少々低くなります。


またご飯であれば、精製された白米ではなく、
五穀米などの雑穀米や玄米だと、 GI値が比較的低めです。


同じように、麺が食べたければ、うどん屋そうめんよりは
十割そばやパスタの方がてんGI値が低めで、
血糖値の上昇がより緩やかになるのです。

GI値が高い食べ物を食べる時は?

GI値が高い食べ物を食べるときは、
豊富な食物繊維を含む食材を摂りましょう。


GI値が高い食べ物を食べる前に、よく噛んで食べておくと、
食物繊維がまとわりついて、糖分の吸収を緩やかにします。

例えば….

  • ひじき、わかめ、昆布などの海藻類
  • 納豆、豆類、穀類、野菜、キノコ類

あるいは、GI値が高い食べ物を食べるときは、
同時に、GI値が低い食品と一緒に食べると、
それがGI値の高い食品の足を引っ張って、
糖分が吸収されるスピードを抑えてくれます。


以下の食べ物は、高GI値の食品を食べる際、
血糖値が急激に上昇するのを多少は妨げてくれます。

  • 食物繊維の豊富な食物
  • 乳製品(チーズ、牛乳、ヨーグルト)
  • タンパク質(卵、野菜、肉、魚)
  • 酢の物

砂糖に替わる甘味料

白砂糖は高度に精製されているので、
吸収が非常に早く、GI値はトップレベルです。


甘みが欲しいときは、精製されていないか、
もしくは低精製の甘味料を使いましょう。

(例:メープルシロップ、てんさい糖、オリゴ糖などの天然甘味料)

ビタミンとミネラルで、神経細胞を蘇らせる

脳内で新しい神経細胞を蘇らせるにはてんDNAやタンパク質が必要になります。

そのプロセスには、十分なビタミンやミネラルが不可欠です。


次のようなビタミンやミネラルが豊富に含まれる食品を選んで食べましょう。
不足するようであればサプリメントで補給しても良いでしょう。

  • ビタミンB1
  • ナイアシン(ビタミンB3 )
  • ビタミンB6
  • ビタミンB12
  • 葉酸
  • ビタミンC
  • カルシウムとマグネシウム
  • マンガン
  • 亜鉛

神経伝達物質をつくるアミノ酸

うつ病や「うつ」状態のとき、脳内で欠乏しているのは、
神経伝達物質セロトニン、ドーパミン、ノルアドレナリンと言われています。


これらの原料はすべてアミノ酸です。


これらいずれのアミノ酸も元はと言えば、
タンパク質が分解されて作られます。


従って、効率の良い質の高いタンパク質を摂る事が、
脳内の神経伝達回路を回復するのに、非常に重要です。

一日に摂取すべきタンパク質の最適な量は、
体重の1,000分の1といわれています。


タンパク質は体内での保存が効かないので、毎日摂取する必要があります。


体重60 kgの人が毎日60グラムのタンパク質を摂取する必要があります。

牛乳、チーズ、豆類、納豆、豆腐などから摂取するタンパク質は、
脂肪分や炭水化物とのバランスもよく、理想的です。


肉であれば、脂肪が少なく、なおかつ高い効率でタンパク質を吸収できる食材として、
魚介類や、鶏肉がベストです。

脳内で柔らかい神経細胞を再生する「良い油」

オメガ3脂肪酸が、脳内の神経細胞の膜を柔軟にし、
ストレスがかかってもすぐに回復する神経細胞を作ります。


食品としては、サバ、さんま、アジ、ニシン、イワシなどの青魚。


そこに多く含まれているEPAやDHAが、オメガ3脂肪酸です。

調理に使う食用油としては、アマ二油、シソ油、えごま油、ナタネ油。

これらに含まれているオメガ3脂肪酸はα-リノレイン酸と呼ばれています。

うつ病を癒す食事の習慣

うつ病を癒し、ストレスの耐性を養うには、食事の習慣を変えていきましょう。
1日に1度、次のような「マインドフルな食べ方」をする習慣を身につけましょう。

  • 一度に一気に食べない:いちどに少量ずつ食べ物を口に運びます。
  • 一品一品、確認する:1度に1品ずつ口に入れて味を確認しながら食べましょう。
  • 食べる前に観察する:口に運ぶ前に、毎回食べ物をよく見て
    香りを味わってから口に運びましょう。
  • よく噛んでよく味わう:30回から50回よく噛んでよく味わい尽くしましょう。
  • ゆっくり味わう:時間をかけてゆっくり味わうということに集中しましょう。

以上のような食べ方を「マインドフルな」食べ方といいます。
「今この瞬間」に集中する訓練として、言わば「食べる瞑想」としての習慣を作るのです。

「マインドフルな食事」をしない「ふつうの」食事では、
できるだけ、他の人と一緒に食べましょう。


その際、できるだけ、食事の美味しさを共有する会話を
家族や友人や同僚と楽しみましょう。


「美味いねぇ」「うまい!」「甘いよねぇ」「柔らかくて舌がとろけそうだ! 」などなど。

食事をする時絶対やってはいけない3つの習慣

  • ひとりでスマホを見ながら食事すること。
  • ひとりでパソコンの画面を見ながら食事すること。
  • ひとりでオフィスの机の上で食事すること。

これらの行動の背景には、ストレスを抱えたときの
脆さやうつ病が発症する仕組みととても深い関連性があるからです。


これらの行動は、ストレスの耐性を弱め、うつ病からの回復を確実に遅らせるからです。

うつ病と仕事の関係「元の職場への復帰問題」

うつ病と仕事の関係

うつ病と仕事の関係は極めて密接です。

うつ病は、仕事上のストレスが要因となっていることが多いでしょう。

どんなストレスが引き金となって発症しているケースが多いでしょうか?
うつ病を引き起こす仕事のストレスとして典型的なものは…

 業務内容が変わった落とし穴サラリーマン
 長時間労働、過重労働
 新しいシステムへの適合
 役割や地位が変わった
 昇進、降格
 配置転換
 組織再編
 リストラ
等があげられます。

うつ病を引き起こす仕事として、いわゆるブラック企業などでの
長時間労働や過重労働、クレーム処理など常に
プレッシャーにさらされる業務等があげられますが、
しかし、そういった仕事に従事していたから必ず発症するというものでもありません。

workplaceまたうつ病は仕事上の人間関係の問題から発症するケースも
非常に多く見受けられます。

部下と上司の関係、同僚とのトラブルやセクハラ、
パワハラ等があげられます。


ではうつ病は、逆に仕事上の人間関係がまったく無いところでは
発症しないかというと、そんなことはありません。

IT系の仕事や、コンピュータ相手の事務作業で
人間関係がほとんど欠乏している職場でも、高い比率で発症しています。

グローバル化しIT化している現代企業社会の中では、
実に多種多様な要素が絡み合って、豊かな人間関係の
欠乏や希薄化を生じているのが背景にあるのは事実です。

かつて日本では、上司と部下との関係や
会社での同僚との関係、あるいは先輩と後輩の関係は、
濃密で豊かで言わば家族的なものでした。

現代の企業社会ではこれが合理化され忌避されてきました。

家族との関係ですら、核家族化と少子化によって、
かつての家族関係のような濃密さ豊かさが失われつつあります。

職場でのうつ病の主因=仕事上のストレス要因を
和らげて吸収するこれらの社会的なサポートが構造的に失われつつあるのです。

うつ病と診断されても仕事は続けられるか?

この疑問にはいくつかの意味があります。

■ 1) ストレス耐性の問題

handsうつ病の症状を抱えながら、今の仕事の責務に耐えてやっていけるのか? ストレスに耐えながら頑張り続けていけば、
やがて突破口が見つかって、バリバリ仕事が続けられるのか?


うつ病になると仕事でのストレスに対する耐性が極度に衰えてきます。
困難を乗り越える心の構えが無くなってしまいます。

したがって今の仕事を今の状態のまま続ける限り、
突破口を切り開けるとは考えないほうが良いでしょう。

■ 2) 業務能力の問題

no_energyうつ病になると、仕事で使う脳内のいろいろな機能が、
うまく働かなくなる、というのも事実です。

記憶力、判断力、決断力、コミュニケーション能力、機敏さ、
バイタリティ、傾聴力、行動力、などなど、
責務の遂行に必要な様々な面での能力が阻害されてしまいます。

結果として、うつ病になると仕事上でのミスが増えたり、
能率があがらず期限までに計画が実行できなかったり、といった
現象があからさまになってきてます。

この段階にまで症状が進むと、上司や部下や同僚あるいは
顧客や業者に、不満やクレームが生じることも多々発生してくるので、
会社としても対応を迫られる事態になってきます。
また、本人自身が深く自覚する事態となるわけです。

■ 3) 評価や待遇あるいは失職への不安 

step directionこのような本人自身の能力低下の自覚は、
自分自身に重大な不安を引き起こします。


例えば….

うつ病と診断されると今の仕事から外される、昇進や昇格が無くなる、
経歴に汚点が残り、会社での将来は真っ暗になる、
はたまた、最終的には会社にいられなくなる、
その結果、収入も無くなり路頭に迷うようになる…..

そんな不安を抱え込むようになります。

そのような妄想にも似たネガティブな考えが、頭の中に渦巻き、
一杯なってしまい、これがまた新たな不安を引き起こすという
悪循環に陥っていくのです。

抑圧された不安のゆえに、会社はおろか家族や医者にすら
打ち明けられないという日々が続きます。


そしてついには、上司や同僚が、
「最近ちょっと様子がおかしいぞ、病院に行ったら?」
とアドバイスしてくれたり、あるいは自分自身の中で、
苦しさが耐え切れない重さに達して初めて、病院を訪れることになります。

shining_heartこのようにして病院に行き、うつ病と診断されると、
数週間から数ヶ月は休むようにとの診断を受けます。

少なくとも今まで会社に黙って耐えていたのが、
解放されたような気になります。

これには正直ほっとする人も多いのではないでしょうか?

うつ病で休業後の仕事への復帰

仕事上のストレス要因から逃れ、
ゆっくりと休養をして静養と回復に専念していれば、
着実に回復に向かうはずです。

ところがその次のステップがもう一つの頭の痛い問題です。

それは、いつどのように職場に復帰できるのか?という疑問です。

  • うつ病が完治しないと仕事に復帰できないのか?

step round
うつ病の症状が仕事が出来る程度にまで軽くなってきたら、
完治しているとは言えないまでも、職場復帰を検討し始めます。


あまり長く休業していると、
会社での立場が危うくなってくることも心配なので、
完治してからでないと職場復帰できないと診断する医師はいません。

休業期限が近づくと大抵の医者は、回復の程度に関わらず、
職場復帰可能との診断書を書く傾向にあります。

しかしうつ病からの回復が中途半端なまま、
同じ仕事に戻ると、再発するケースが多いのです。

うつ病の原因となった仕事上のストレス要因が、
そのまま残っているからです。

休職中に、職場で人事異動がなければ、
上司や部下や同僚との関係はそのまま再開するし、
業務内容も、仕事のパターンもスタイルも環境もツールも同じなので、
また同じストレスを受けることになるという訳です。

頭の後の雲確かに、うつ病は非常に再発性の高い病気なので、
職場復帰した際には、どんな仕事に戻すのか、注意が必要とされています。

しかし全く異なる業務では、それに適応するのが、
新たなストレスとなりかねません。

復帰直後は、うつ病を再発しないよう、
同じ職場で仕事の時間を短縮し難易度を軽くした
「軽減措置」を施すのが良いとされています。

  • 会社側の対応

またうつ病を引き起こすストレス要因を
仕事の内容から取り除いておくことも必要になります。


もっともこれは、職場復帰した本人だけでは
ほとんど解決できません。

ほとんどが会社側の対応になります。

長い休業のあと職場復帰する従業員だけのために、
前もって職場のすべてのストレス要因を取り除いておいて、
再び職場に迎え入れるという会社はほとんどありません。

うつ病療養のための休職中も仕事が回るように、
休職者の仕事を何とか他に回して、会社としての業務を
継続していくことを第一優先してきたはずです。

manhole職場環境や人間関係の見直しなどは後回しになっているか、
あるいは無視してやりすごしている場合が多いのです。

したがって休職したあと職場復帰した際に、
あらゆるストレス要因が改善されているという期待は、
するべきではありません。

これは、会社にとっても非常に難しい課題になります。

うつ病で休業した従業員にどんな仕事をしてもらうか、
どこでどう迎え入れたら良いのかは、近年、
企業側でも重要な人事施策上の課題の一つとなりつつあります。

  • 会社-本人-医師の判断のバランス

traffic lightいつどのように職場に復帰できるのか?という疑問には、

① 会社側がどこまで職場復帰の条件を配慮して整備できるか?
② 本人自身の回復の自覚と仕事に対する意欲の回復がどの程度か?
③ 主治医と産業医の医学的な見地からみた判断

の三者間でバランスのとれた判断をすることがもっとも良いといえます。

 

うつ病の症状

健康な人でも憂うつな気分になることは、しばしばあります。

しかし、たいていの場合、何か気を紛らわすことをしたり、
何か好きなことに集中する時間を過ごしたり、
一晩眠ったりすれば、憂うつな気分が解消してしまいます。

憂うつな気分が、その場、その日のうちに解消せず、
慢性化して長期間してしまうと、「うつ状態」に陥ります。


うつ病はその症状が、「うつ状態」より悪化し
病的なレベルにまで達したものです。


どこからが病的なレベルで、
どこまでだったら病的とは言えないのか、
その境目は実は明確ではなく、非常にあいまいです。

通常、日常生活で感じる「憂うつ」とか、
数日耐えていると回復しまうような一時的な「うつ状態」は
まだ病的とは言えないでしょう。

それよりも重く長くつらい、普段の暮らしや
仕事をするのに長期間に渡って支障がでるほど、
耐えられないほどのつらさになったものです。

海中逆さま
うつ病の典型的な症状は、「気分が悪い」という自覚症状で、このため、「うつ状態」あるいは「うつ病」は、
病名として「気分障害」とも呼ばれます。
それも耐えられないほどつらい「気分の悪さ」です。


うつ病の症状は、気分の悪さを引き金にして、
人によって更にさまざまな形で表れます。

色々な症状が複合的に発症するのが確認できてはじめて、
総合的に見て「うつ病」と診断されるのです。

うつ病では、日時や時間の経過によって
色々な異なった症状が、複合したり入れ替わったりしながら、
長く続くのが一般的です。

数ヶ月から長い人では数年の単位に及びます。

また、なりかけ~急性期~小康状態~回復期と、
何ヶ月にも渡って、つらさが変動し、
うつ病特有の色々な症状が何の前触れもなく
アップダウンを繰り返します。


このため、効果的な治療や回復を行わなければ、
新たなつらさを長い月日の間、
繰り返し耐えていかなければならないのです。

boy window
経験のない健康な人に、そのつらさを説明できる言葉が無い、
というのももどかしいところです。

「やる気が起きない」とか「つらい、悲しい」とか
「気が重い」といったうつ病の症状のほとんどが、
自分だけのつらさであり、内面的で主観的なため、
経験者以外はほとんど理解できませんし想像もできません。

「立ち上がれないくらい痛い」とか「吐きたくなるくらい気持ち悪い」
といったような分かりやすい説明ができません。

そのつらさを訴えても、中には「怠け者」呼ばわりしたり、
「弱者」扱いしたりする人がいるのも悲しい事実です。

「うつ病」の典型的な症状

過去2週間を振り返ってみて、
だいたいいつも気分が悪くて、
次のような症状を頻繁にあるいは慢性的に経験していれば、
「うつ病」の可能性があります。

特にこういった症状が、以前、元気な時は、
ほとんどなかったのに、最近、強く日常的に
感じられるようになっているのであれば、
「うつ病」の急性期にあると見てよいでしょう。

ぐるぐる横頭 何もやる気が起きない。
 元気がでない。踏ん張りがきかない。
 何もしていなくても、つらい、苦しい
 とても気分が悪い、気分が重い、気分が落ち込んでいる。
 身の周りのことですら面倒くさく、やらなくなってしまった。
(洗濯、掃除、歯磨き、おしゃれ、整理整頓など)

 朝起きれない。夜眠れない。眠りが浅い。あるいは一日中、昼間も眠い。寝ていたい。
 食欲がない。食事が美味しく感じられない。味がしない。あるいはむやみに食べてしまう。
 いらいらして落ち着かない。やっていることに集中できない。
coveringface 仕事が手につかない。てきぱきと片付けられない。仕事を辞めたい。
 くよくよ悩んで先に進めない。簡単なことでも決められない。
 最近、嬉しい、楽しい、という感情を失ってしまった。
 かわいい!きれいだ!美しい!かっこいい!すばらしい!
すてきだな!という感情が無くなってしまった。

 何だか悲しい。些細なことでも泣きたくなる。泣き出してしまう。
 精神的に疲れた、仕事や勉強や家事や育児やその他の
義務的なことを何もかも投げ出したい。今この場から逃げ出したい。

 本当は「助けて!」と叫びたい。(が叫ぶこともできない)
 死にたい、と思う。あるいは死んだら楽になれるかもと、想像することがある。
 今日の楽しみも明日の夢も希望もない。人生に対して絶望感で一杯だ。

どうでしょうか?いくつの症状が該当するでしょうか?

一日に何度くらいこういった感情をいだくでしょうか?
その重さはどうだったでしょうか?

医師の診察

shadows_street気分障害という病名の病気、いわゆる「うつ病」を
医学的に治療する公的に認可された専門家は、
精神科、神経科あるいは診療内科の医師です。

またカンセリングの専門家として
公的に認可されているのは臨床心理士です。

しかし、多くの場合、このような気分の症状を
病院で訴えても、患者の病状がどの程度の重さなのかを
正確に測定するわけでなく、先生の総合的な判断で、
薬が処方されるだけです。


たいていの専門医は、診察時間(一般的には10分前後)の間に、
あなたが、どの程度のどのような症状を訴えたかによって、
診断をし、薬を処方するのです。


「うつ状態」あるいは「うつ病」のあなた固有の症状の重さには
正確に測定できる物差しを当てることができないので、
医師を含めた他の人に正確に客観的なデータで
理解してもらえることはないのです。


このことは、よく理解しておいてください。

ear医師や家族や他の人が、自分と同じように、
自分の苦しみを理解してくれていない、というのは
当然の事実なのですが、「うつ病」の人には、

その事実を受け止められずに、自分の苦しみを、
いわば客観的に証明するために、自傷行為に走る人もいます。

自分の苦しみを誰も客観的には理解して
共有してくれていないということが、
受け入れがたいつらい事実なのです。

専門家(医師、臨床心理士)のところに行っても、
客観的なデータとして、自分の症状のつらさは
測定してくれるところは稀です。

 

うつ病の種類と病名、チェック方法

従来型のうつ病は、主に仕事上のストレスが原因で発症するといわれています。
そこで、うつ病の種類と特徴を、職場で見られるタイプと
その他のタイプに分けて解説します。

セルフチェックの方法も紹介しているので、ぜひ参考にしてください。

職場で見られる5タイプのうつ病

うつ病は、ストレス要因ごとに8つの種類に分類されますが、中でも「職場うつ」になりやすいものには5つのタイプがあります、詳しく見ていきましょう。

過重労働型

職場でのうつ病で、もっとも多いタイプです。
「多少の無理なら大丈夫」と考え、月に何十時間もの
残業を続けている人や、仕事による睡眠不足で
疲労を蓄積させている人に起こりがちです。

転職・業務変更型

転職や昇進、転勤、配置転換などによって起こるうつ病です。
それまでは、自分が直接業務を担当して成果を上げていればよかったのが、
昇進により部下を育成する立場になった途端、
業務内容の変化に適応できず、ストレスを溜め込むことにより発症します。

対人関係過敏型

職場内での人間関係によって発症するうつ病のタイプです。
パワハラ、セクハラ、いじめ、恋愛、または相手との
相性が悪いなどの原因があります。

環境・育成型

子どものころの思い出や生育環境が原因となるタイプです。
親の虐待や学校のいじめなど、成長過程で心に傷を負っている人たちが、
仕事上の問題によりうつ病を発症させてしまいます。

知能構造型

成績はとても優秀なのに、周囲とのコミュニケーションが
上手く取れないなど、知能構造に隔たりのある人が
陥りがちなものです。場の空気を読めないがために
周囲と上手く合わせられず、ストレスを溜め込む原因となってしまいます。

その他の3つのタイプのうつ病

職場での問題以外にも、うつ病を発症させる要因があります。
以下に、要因別の3つの種類についてまとめました。

物質型

「依存」が原因となってうつ病を発症させてしまうタイプです。
多いものに「アルコール依存」があります。
パニック発作などの症状を抑えるためにお酒を飲み、
その結果、アルコール依存からうつ病を発症させてしまいます。

アルコールだけでなく、ある種の鎮痛剤やカフェインなどでも起こります。

ホルモン変化型

更年期障害をはじめ、PMSやPMDDなど、女性ホルモンの
変化が原因で発症するうつ病のタイプです。

また、甲状腺機能の低下、亢進によっても発症する場合があります。

器質型

脳梗塞、脳出血、くも膜下出血など、脳の血管障害を患った人が、
その後遺症として起こすうつ病です。
認知症やアルツハイマー病なども当てはまります。

診断テストでうつ度をチェック

うつ病チェックには「DSM-Ⅴ」という診断方法が用いられます。

これは、客観性を重視して作られた、アメリカの精神医学界が出している
「精神疾患の分類と診断のためのマニュアル」に基づいた診断方法です。
職場うつの診断にも利用できるので、ぜひチェックしてみてください。

(1)1日中、気分が沈んで憂鬱である。

(2)仕事や趣味、対人関係などに興味を持てない。

(3)食欲不振(まれに過食)ぎみである。

(4)不眠症(まれに過眠症)である。

(5)通勤や家事など、同じことのくり返しがつらい。

(6)疲れやすく、無気力である。

(7)罪悪感を持ちやすく、自分に価値を感じられない。

(8)集中力や思考能力が停滞している。

(9)自殺など、死について考えることがある。

(1)と(2)のどちらかが当てはまり、それも含めて、
5つ以上の項目がほぼ毎日2週間以上続く場合は、うつと考えられます。