冬季うつ病の対策~さむい冬に備える~

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夏は元気に過ごしていたのに10月を過ぎた位から何となく憂鬱、

倦怠感が増して眠気と食欲も増してきた、

過食気味になって特に甘いものが食べたくなる、

 

なぜ、冬はうつ病になりやすいのか?

冬は日照時間が夏場より減り、
寒くて日中の外出も減るので神経伝達物質の
セロトニンが減ってしまい、憂鬱な気分になる傾向が強くなります。

 

また夏場に暴飲暴食をしたり、逆に夏バテをして
きちんと必要な栄養素を摂らずにいたりして、
冬を越す体力を温存できていないのも理由の一つだと考えられます。

 

毎年、冬の間に気分がすぐれず、春になって
治るのであれば冬季うつ
(季節性気分障害、季節性情動障害、季節性感情障害とも言う)に
なっているかもしれません。

 

冬の間も心身の健やかさを保ち、
自分の持つ能力や才能を存分活かすことができたら良いですね。

それにはどんなことに気をつければ良いのでしょうか。

 

 

冬季うつ病の具体的な対策とは?

 

1.昼間に充分日光を浴びる

早起きを心がけ、日中充分太陽の光を浴びることで
体内で重要な役割を果たしている神経伝達物質の一つである
セロトニンを増やすことができます。

セロトニンは「幸せホルモン」とも言われ、不足するとうつ病などの
心の病気になりやすくなると言われています。

 

2.食事に気をつける

甘いものが無性に食べたくなっても、甘いものばかり食べないようにします。
甘いココア、甘いお汁粉、クリスマスケーキ、バレンタインのお菓子…

冬は甘いものの誘惑が増えますが、甘いものは神経を荒らして、
必要な栄養素の吸収を妨げますので負けないようにしましょう。

食事はきちんと摂り、間食などだらだら食べないようにすることも大切です。

また旬の食材にはその季節を健やかに過ごすために必要な栄養素が
豊富に含まれていますので、手軽に食べることのできるファーストフードや
加工食品は避けて、積極的にお料理をして食べて下さい。

 

3.お酒を飲み過ぎない

甘いものを同じように飲酒も冬場は機会が増えると思いますが、
毎回泥酔するほど飲まないように自制して下さい。

お酒も多量の糖類を含みますし、神経を荒らします。
飲み過ぎの日が続くと生活のリズムも崩れ、何となく身体がしゃきっとせず
倦怠感を感じるようになってしまいます。

 

4.無理はしない

冬季うつではなくても、年末年始は仕事もプライベートも忙しくなり、
疲れがたまりやすくなります。ゆったり過ごす時間も意識的に取り、大事にして下さい。

休める時はきちんと休んで自分の生活を振り返る余裕を持てるようにしてください。
湯船にゆっくり浸かったりリラクゼーションを楽しんだりするのも良いです。

 

5.夏場の食生活の乱れに気をつける

夏に暴飲暴食を繰り返したり、必要な栄養素が摂れていなかったりすると、
内臓の機能が低下して寒い冬を乗り越える底力を得ることができません。
夏も意識的に過ごすようにしましょう。

 

6.楽しみを持つ

寒い朝は起床が辛くなるかと思います。
そこで自分のモチベーションアップに繋がる楽しみを意識的に持つと
朝が気持ちの良いものになります。

私はおしゃれをすること、メイクをすること、
一人でゆっくり温かいものを飲みながら読書をすることが楽しみなので、
朝が寒くて憂鬱な時は起きるのが楽しみになるように

新しいコスメやお洋服を一つ買ってみたり、
続きが楽しみな本を図書館で借りておいたりしています。

それが朝のウォーキングやスポーツでもDVD観賞でも、新しい作品作りでも
カラオケでも何でも良いと思います。

自分を喜ばせることにほんの少しお金と時間を使ってみてください。

 

私のうつ病はなぜ治らないの?① 薬を飲むだけではうつ病は完治しない

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うつ病は治らない病ではありません。必ず完治させることのできる病です。

しかし、うつ病にかかりやすい生活習慣や性格は確かにありますし、
もし10年以上うつ病やうつ状態に苦しんでいたら

「自分は一生こころが晴れることがないかも…」

と思ってしまうでしょう。

 

私自身、思春期から10年以上うつ病に悩まされていたので、
その間は絶望を感じていました。

もちろん病院にも行きました。
薬も真面目に飲んで、休養も取りました。
でもうつ病は簡単には治りませんでした。

 

「どうして真面目に通院して薬も飲んでいるのに治らないの?」

 

とても苛立ってきました。精神科の先生が頼りなのに、
先生はただ薬を出してくれるだけで、
段々諦めの気持ちが生じてきました。

誰かに助けて欲しいけど、誰にも迷惑をかけたくない…

こころの中はいつも葛藤しています。

 

本当にうつ病は暗い出口の見えないトンネルの中にいるようです。

 

しかしうつ病という暗いトンネルには必ず出口があります。

 

自分はどうしてそのトンネルに入り込んでしまったのでしょうか。

 

そのトンネルに入る前に、自分を酷使していたり、
逆に甘やかし過ぎていたり、
大きなショックを受けたりしたようなことはありませんか。

 

その時に戻るのが怖くて、トンネルから出るのを恐れていませんか。

 

意識的には“うつ病を治したい”と思っていても、
潜在意識の中で「ここでずっと休んでいたい」と思っていたら、
出口は中々見つからないかもしれません。

もちろん、外で誰かが元気な声で

 

「おーい!出口はこっちだぞ!」

 

と声をかけてくれても、行く気にもなれないかもしれません。

 

うつ病は自分の心と身体を守るための防御反応

うつ病は自分の心と身体を守るための防御反応でもあります。

先ずうつ病というトンネルにどうして入ってしまったのか、振り返り、

紙に書きだしたり、話したりしてみましょう。

とても辛い自分との対話になるかもしれないので、

もし話す時は専門家の先生やセラピストさん、
信頼できる優しい家族や友達に聞いてもらって下さい。

 

例えば私のトンネルに入ったきっかけは両親の不仲でした。

両親が不仲であることに勝手に罪悪感を持ち始め、責任を感じていました。

両親に申し訳ない気もしていました。

自分が好きになれず、許せなかったので、
摂取障害や自傷行為で自分を痛めつけて赦されたような気がしたのです。

「自分には価値がない、自分は愛されるに値しない人間だ」

と思い込んでいたのです。

 

私のうつ病は幼少期からの誤った観念からの悪循環 

幼少期からの誤った観念が思春期に自分自身を傷つけることで報われた気がした

⇒きちんとした食生活をしない(三食菓子パンや甘いものだった)

⇒身体に必要な栄養素が足りず、神経系が荒らされ苛々や憂鬱に悩まされる

⇒物事がうまくいかなくなって焦り始め、劣等感が更に増幅してしまう

⇒孤独感に陥り、人を妬んだり喜びを感じなくなってきたりする

⇒そんな自分が嫌だからもっと頑張ろうと自分に鞭を打つ

 

このような悪循環ができてしまいました。

 

真面目に病院にかかり、薬を飲んでいる間も
自分への誤った観念はそのまま放置していましたし、
食生活も見直しませんでした。

気晴らしに飲むお酒も量が増えて
簡単に言うと、私は病院の先生と薬が魔法のように
自分を楽にしてくれると思っていたのです。

そして心の中に

「このまま病気のままで休んでいたい」

という気持ちもありました。

それほど疲れている状態でもありました。

実際10種類近くの薬を服用しても私は全く治りませんでした。

 

人によってきっかけは他にも色々あるかと思います。

 

イジメや暴力、虐待を受けていた

いつも完璧で自分に厳しく、何かに追い立てられているように
仕事や勉強を頑張ってきた

大事な人に裏切られた、失恋した

大事な人やものを失ってしまった…

 

これらのきっかけに対して、自分のからだとこころは

「もうたくさん耐えてがんばったから休みたいよー」

と言っている状態がうつ病、うつ状態です。

 

薬を飲んでも、これらの状態が変わるわけではないので、

薬を飲むだけではうつ病は完治しないのです。

私のうつ病なぜ治らないの?② 決してあきらめないで欲しい

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前回、いくら真面目に通院しても薬を飲んでも、
何年も治らないうつ病はもう一生治らないのか?

まるで暗いトンネルの中に迷い込んでしまったようだ…
という内容を書きました。

 

そこで、うつ病のトンネル入ってしまったきっかけを
振り返ってみることにしました。

 

私のうつ病はなぜ治らないのかを振り返ってみる

きっかけは例えば…

・イジメや暴力、虐待を受けていた
・いつも完璧で自分に厳しく、

何かに追い立てられているように仕事や勉強を頑張ってきた

・大事な人に裏切られた、失恋した
・大事な人やものを失ってしまった…

など人によって様々です。

薬を真面目に飲んだだけではうつ病が治らないのは、
薬がこれらの原因を解消してくれるわけではないからです。

薬が大事なものを元に戻してくれるわけでも、
攻撃してくる人を変えてくれるわけでもありません。

また辛かった過去を消してくれるわけでもありません。

 

例えば足を骨折してしまって、とても痛い…
鎮痛剤はその辛い痛みを一時的に楽にしてはくれますが、
痛みの根源である骨折を治してくれるものではありません。

安静にして治るのを待ち、もう二度と骨折しないように環境を見直したり、
身体を鍛えたり、食生活を変えたりすることが必要になります。

うつ病も同じで、薬に助けてもらうのと同時進行で、
休養を取り、こころの痛みの原因を見直し、
環境を見直し、考え方・捉え方を変えていく必要があります。

私の場合、前回も書きましたが、重度のうつ病になる前、
摂取障害や自傷行為から始まり
休みなく自分を酷使し続けていました。

そんな私にお医者さんは薬と休養をすすめてくれましたが、
薬の効果は感じられませんでしたし、

休養は罪悪感にしかならなかったので、
すすめられても葛藤するだけでした。

本当は休みたい…

だけど何かが邪魔して休めないから
私はうつ病になってしまったのです。

邪魔しているのは、私の中にしぶとく居座っていた
幼少期からの誤った観念でした。

私は両親の不仲を見て育って、
いつも自分は愛されていない・必要とされていない子供だと信じていました。

欠点だらけで、頑張っていないと愛されるに値しない人間だと思っていたのです。

この誤った観念を薬が変えてくれることはありませんでした。
必要なのはセルフイメージを変えることであり、

自分はいらない人間ではない、
がんばって自分を酷使しなくてもありのままでいて良い、
ということを知ることでした。

この作業はとても大変でした。時間がかかりましたし、
たくさんの人に助けてもらわなければなりませんでした。

私がうつ病を治すために行ったこと

両親と向き合い、自分の想いを伝え、自助グループに参加したり、
様々な療法を受けたり、本などで学んだり、食生活を見直したりしました。

いい子ぶっていない本当の自分ってどんな姿なのだろう
人に好かれるため・認めてもらうためではなくて、
本当に自分がしたいことってなんだったのだろう…
客観的に素直に自分を見つめ直してみました。

それでようやくうつ病というトンネルの中で出口を見つけ、脱出することができました。
うつ病にかかってしまう人は人に頼るのが上手ではありません。

孤独に陥ったり、逆に一人の相手に執着して依存してしまったりすることが多いです。
できるだけ外の世界と接触を持ち、狭い世界に陥らないようにすることが大切です。

 

私なりに自分自身のうつ病と向き合って得た答え

・うつ病は“治したい”と本人が希望すれば必ず治る病である。
例え長年治らず苦しんでいても、
治したいと決心したその日からうつ病克服への道は開ける

・薬だけではこころの病は治らない

・こころがうつ状態になり始めた頃の状況・環境などを振り返ってみる。
紙に書きだしたり、
信頼できる専門家の先生・セラピスト・家族・友達等に話してみたりする

・その環境をできるだけ変える、自分の誤った思い癖を治すようにする

例えば…

暴力を振られている
⇒一時的にでも暴力から離れる環境を作る

大事なものや人を失った、または失恋した
⇒相手に感謝してこころが癒えるまで休養を取る

自分を酷使していた、また自傷行為が絶えなくなった
⇒なぜそうする必要があったのかを振り返り、誤ったセルフイメージや古い観念を手放す

人それぞれ育った環境、性格、価値観が違いますから、
うつ病の克服の仕方もかかる時間も
人それぞれだと思います。

道は違ってもスピードが違っても、ゴールは必ずありますので、
諦めず、明るい世界を目指して下さい。

朝が辛いのはうつ病の兆候?

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毎朝、起床時にどんな気分で目覚めますか?
“清々しい気持ちで目覚めることができる”
反対に
“今日の仕事や勉強がゆううつで目覚めの気分も最悪”
または
“寝た気がしない、疲れが取れていない”
など、朝から体調の不調を感じる人もいるかもしれません。

 

“理由は分からないけど、何となく毎朝ゆううつ…”
なんてこともあると思います。

朝の気分を改めて自分で意識的に感じてみると、
忙しい毎日の中で意外と気付かなかった自分自身の課題を
みつけることができます。

うつ病の時は眠りの質も、目覚めの気分も落ちてきます。

 

働き者、頑張り屋の人ほど自分の中のゆううつな気分や不安、
不満を心の片隅に押し込んで、
日々自分のやらなければいけないことに
向かおうとします。

 朝が辛い時こそ、自分の本心を知るチャンス

もし朝の目覚めが悪かったら、時々はゆっくり自分自身の気持ちや
日常生活を振り返る時間を作って下さい。

日中は自分の仕事や勉強に集中していますから、
自分の本心を抑えてしまいがちです。

朝は自分の気持ちも出しやすくなります。

おすすめなのは紙に自分の朝の気持ちを書き出してみることです。

書き出すだけでも気持ちが楽になることもありますし、
漠然としていた不安やもやもやの原因が分かることもあります。

その内容を信頼できる家族や友達に話してみるのもおすすめです。
原因が分かれば、解決策も探していくことができます。

 

また朝がゆううつになる原因として、
“楽しみがない”
場合もあります。

自分の楽しみなことも紙に書き出して、
簡単なことなら日々のスケジュールに入れ、
少し時間と手間がかかるものは週末や休暇に予定して、
楽しむ時間も必ず取って下さい。

 

楽しむ時間を持つことで朝はワクワクした気持ちになれます。
朝起きてすぐに好きな音楽をかけても良いですし、好きな人の写真、
旅行したいと思っている場所の写真や動画を眺めるのも良いです。

 

好きな本やDVDを枕元に置いておくのもおすすめです。

朝、身体がすっきりしない場合は日常生活を振り返ってみてください。
食生活は乱れていないか、暴飲暴食はしていないか、逆に無理な食事制限を
していないか、栄養をきちんと摂っているか、適度な運動をしているか…等々。

 

日常生活の乱れもうつ病にかかりやすくさせます。

日々、こまめに自分の心と身体に目を向け、振り返ることはうつ病を遠ざけます。
朝に辛さを感じることがありましたら、ゆっくり自分と向き合う時間を取って
下さいね。

うつ病(鬱)の兆候を知る

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うつ病は特別な病ではなく、誰もがかかる可能性がある病です。

また“うつ病=心が弱い”わけでもありません。

かつて私がうつ病だった頃、きちんと通院してきちんと薬を飲んでも、
中々完治しませんでした。

少し善くなってもすぐにまた症状が出てきてしまうので、
もう一生自分のうつ病は治らないと思っていました。

 

けれど今、うつ病から解放されて確信したことがあります。
それは“うつ病は治すことのできる病”ということです。

 

うつ病を克服する過程で、私はたくさんのことを学ぶことができました。

しかしうつ病が重症化する前に早く気づき、生活を変えて適切な治療をしていたら、
仕事ができなくなったり引きこもりになってしまったり
自殺願望に苦しんだりせずに済んだのに…とも思います。

うつ病の兆候に気付き、すぐに対処することは
うつ病を重症化させないためにも大切なことだと私は思います。

 

うつ病の兆候はどんなものがあるのでしょうか。
私自身の体験の中で特に顕著だった兆候を書きたいと思います。

 

 

 

 

私の体験した、うつ病の3つの兆候

1.疲れが取れない

心と体はつながっていて、どちらかが不調な時は一方に影響を与えます。
どこも病気ではないのに、食欲が出ない、睡眠の質が落ちる…
だから毎日ずっと疲れが取れず、ため息が増え、
「疲れたな…」と口にすることが増えます。

 

2.好きなこと、得意なことができなくなる・やりたくなくなる

心が元気な時はとても楽しく思えたことが、
うつ状態になると全く楽しく思えなくなります。

周りの人がいくら“気晴らしに楽しいことしてみようよ!”と提案してくれても、
気が乗りません。

私も大好きな旅行、読書、写真、スポーツ、ショッピングなど
全てがやっても意味のないことのように感じてしまい、

寝ることだけしかできなくなりました。
それほど心身が休息を欲していたのだと思います。

また得意だったはずのこともできなくなり、
仕事でもミスが増えていきました。

 

3.ドタキャンが増える

うつ状態の時は気分が安定しません。

誰かと約束をした時はきちんと約束を守るつもりが、
約束の時間が近づくと理由もなく
突然不安に襲われて出かけたくなくなります。

人ごみに入ったり電車に乗ったり、人と関わるのがとても辛く感じます。
健康な人にはただの無責任に思われてしまうので、
人からの信頼も失ってしまいます。

 

もし少しでもこれらの兆候が見られたら、
先ずはできる限り心身の休息を取り、生活環境・生活習慣を見直し、
改善できることから始めてみて下さい。

 

特に暴飲暴食、無理なダイエット、睡眠不足には注意して下さい。
また自分の周りの大事な人にこのような兆候が見られたら叱ったりせずに
ぜひ休息を取るようすすめてあげて下さい。

うつ病の辛さを軽減するためにやって欲しい!自然治癒力を高める3つのポイント

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うつ病は“病院に行って薬を飲まないと治らない病気”だと思われるかもしれませんが、
必ずしもそうとは限りません。

逆に薬の副作用がとても辛かった、というお話しもよく聞きます。

心の病も身体の痛みと同じく、急性の症状にはお薬がよく効いて楽にしてくれます。

けれど長い間、抗うつ剤を飲んでもうつ病が治らないことも多々あります。

これもまた肉体と同じく、私は心の病も
人間が持つ自然治癒力を活かして治療に努める方が、
お薬だけに頼るよりも回復が早いと思っています。

以前にも書いたことがありますが、私は“うつ病”とまではいかなくても、
小学生の頃から度々うつ状態に陥っていました。
そして初めて病院で受診し、うつ病と診断され、
初めて抗うつ剤を飲んだのが19歳の時でした。

それから善くなったり悪くなったり…という状況が数年続きました。
精神不安定になったら、病院へ行ってお薬を処方してもらう…
善くなったらお薬のない生活に戻る…

ただその繰り返しで、何故自分はうつ病になりやすいのか
考えたこともありませんでした。

20代半ばでの進学を機に“もう二度とうつ病に戻りたくない、完治させたい”と
決心してからようやくうつ病の根本治療に取り組みました。

良いと聞いたものは全て試しました。

その中で、取り組んだことによって自然治癒力が強化し、
投薬治療と並行またはお薬なしでうつ病の辛さが軽減したものをお伝えします。

自然治癒力を高めうつ病の辛さを軽減するための3つのポイントとは?

 

1 生活習慣を見直して改善する

食生活の改善、砂糖やアルコールを摂りすぎない、
生活のリズムを整える、休息をきちんと取ることなど。

2 生活環境を変える

よくうつ病の人に“『頑張って』と言ってはいけない”と言いますが、
うつ病の原因となる環境からは是非頑張って離れて欲しいと思います。

例えば暴力を受けている、モラハラやパワハラを受けている、
不衛生な環境で暮らしている、などの環境は
いくら生活習慣を改めようとしても、病院に通っても、
薬を飲んでもうつ病は改善されません。

自分の生活環境を変えることはとても難しくエネルギーがいることです。
自分一人では厳しい場合は頼れる人に相談して協力を得て取り組んで下さい。

 

3 理解者を得ること

うつ病の治療や生活環境などを変えることは、自分一人では中々続きません。
自分を客観視し、理解してくれる他の人の力も重要です。

自分一人で頑張らず、家族、友達、また公的機関の相談窓口、
セラピスト、カウンセラーなどに相談して協力してもらって下さい。

4 “ねばならない”を手放す

うつ病になりやすい人は責任感が強く、自分にも他の人にも厳しく、
頑張り過ぎてしまう傾向があります。

“ねばならない”という思いが強ければ強いほど苛々や罪悪感、
不安感を感じやすくなります。

またこだわりも強すぎると生活を変えることが難しくなるので、
自分を苦しめる“ねばならない”やこだわりは手放すようにしましょう。
うつ病は辛いだけでなく、“もっと楽な生き方があるよ”と
教えてくるものでもあります。

薬だけに頼ってしまうことはその大事なサインを見逃してしまいます。
どうか自分のこころと身体の声に耳を傾け、自分がもつ自然治癒力を活かして下さい。

流れに逆らわない生き方をする

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人生の中で何をやってもうまくいく時期と、
逆に何をしても踏んだり蹴ったりでうまくいかない時期があります。

そうした人生の波は多かれ少なかれ誰にでもあるのではないでしょうか。
同じく心と身体の調子にも波があり、少々の無理をしても体調を崩すことなく
乗り越えられる時と、中々疲れが取れず息切れしがちな時があります。

また生きがいを持って前向きに仕事をこなせる時もあれば
些細なことが気になって前に進めない時もあります。

人生にはいくつかの節目があり、
女性なら初潮から妊娠・出産・授乳・閉経の度にホルモンの分泌が変わり、
それが心身のバランスを乱すこともあります。

男性も年と共に、若い頃は難なくできていたことなのに体力に限界を感じ、
また守るものができて、不安や心配も増えることでしょう。

それまで楽しかったことが楽しむことができなくなったり、
過去のことをくよくよ考えたり、先のことが心配で仕方なくなるなど
うつ状態を引き起こします。

周りの人はいつも元気で仕事も育児もバリバリやって結果を出しているのに、

自分は何故うまくいかないのだろう…

焦って頑張れば頑張るほど逆に成果が出ず、余計に気持ちが苦しくなってしまいます。
逆に自分が疲れ知らずでバリバリ働き、結果を出している時は休んでいる人が怠け者に
見えるかもしれません。

 

 

人生も川と同じでつねに流れている

人生の流れは川の流れと同じようにいつも同じ流れとは限りません。

良い状態も逆に悪い状態も永遠には続きません。ゆっくり休む時期、
急速に進む時期、色々な時期があります。

辛いことが続いた時、自暴自棄になるか、次のステップやチャンスに備えて
静かに過ごすかによって心身が受けるダメージは違います。

 

うまくいかない時は“このままのやり方ではいけないよ”という重要なサインであるか、
幸せを実感するための一つの経験です。

人と比較して悲観したり、自分に鞭を打ったり、自暴自棄になることは人生の流れに逆らい、余計なエネルギーを消費してしまいます。

逆に人生の流れにそって生きることは少ないエネルギーで長い距離を楽に前進できます。

絶対にうつ病にかからない人もいませんし、うつ病は絶対治らない病気でもありません。

時と場合によって誰しもがかかる可能性のある病であり、
“うつ病”という嵐の時の過ごし方によってすぐに治る場合もあれば
長引く場合もあります。

もし今までうつ病とは全く縁がなかったのに、
自分や自分の周りの大事な人がうつ病になってしまったら…

この人生の流れや波もぜひ思い出してもらえたらなと思います。

そして自分の行く道を見失わず、自分のペースで人生を歩んでいって欲しいと思います。

気分障害の人との接し方 「うつ病・双極性障害(躁うつ病)との違い」

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普段私たちの心の変化や気分はその時々の状況によって変わります。
例えばうれしい出来事によって気分が上昇したり、
逆に嫌なことがあれば気分は沈んだりします。

けれど、身の回りで起きた出来事に関係なく、
落ち込んだ気分が続いたり、突然ハイテンションになったり、
自分で自分の感情をコントロールできなくなることがあります。

このような状態が続き、普段の生活や人間関係で支障がある場合、
「気分障害」という心の病であるかもしれません。

「気分障害」は気分の落ち込みが一定期間続く「うつ病」と、
うつ状態とテンションが高い状態が繰り返し現れる
「双極性障害(躁うつ病)」があります。

 

うつ病は、気分が沈んでしまう病気です。

楽しい・嬉しい・喜びなど、ポジティブな感情が影を潜め、
逆にそれまでは楽しいと思えたことが全く面白いと思えなくなったり、
罪悪感が増して、自分は価値のない人間だと思い込んでしまったりします。

うつ病は心の落ち込みだけでなく、睡眠障害や食欲減退または過食、
疲れが取れない、倦怠感など身体的にも症状が出ます。
双極性障害は過剰なほど高揚感が現れる病気です。

うつ状態と躁状態が数日から数週間ごとに交互に繰り返し現れたり、
同時に現れたりします。

躁状態のときは他人が口をはさめないほど口数が増える、
落ち着きがなくなって怒りっぽくなったり苛々したりする、
自信過剰になる、睡眠時間が少なくなっても疲れずに高揚感が続く、
などの症状が出ます。

 

 

気分障害の人の家族には理解(知識)を持ってもらいたい 

以前、私の妹が双極性障害だった時期がありました。
高校生の時からうつ病になってしまった妹は、はじめ躁状態はありませんでした。

二十歳を過ぎた頃から急に躁状態が著しく出現し始めました。

私も両親も知識が全くなく、心の病=うつ病で、気分が落ち込んだ状態だけが
症状だと思っていたので、躁状態の妹を見ると、うつ病が治ったように見えました。

うつ状態がひどかった時期は自宅に引きこもり、食欲もなく、
人と接することを極端に億劫がっていたのに、躁状態になると
休日を取らずに何日も働き続け、自信に満ちあふれ、意見が合わない
同僚を強い言葉で罵っていました。

姉妹で会話する時も、どちらかというとゆっくり低い声で話す妹でしたが、
躁状態の時は笑ったり怒ったり、感情の起伏が激しく、早口でしゃべり続けていました。
一番変化が大きかったのが服装とメイクでした。

うつ状態の時は全てが億劫でノーメイクで眼鏡、寝巻のまま何日も過ごしていましたが
躁状態になると極端に奇抜な格好とメイク、香水の量が増しました。
躁状態がしばらく続くと決まってまたひどいうつ状態が巡ってきました。

うつ病と双極性障害は治療法が少し異なります。
また使用する薬も異なります。

妹はうつ状態になると薬を貰いにいき、薬不可欠の生活を送っていました。
もしその頃の私がもう少し気分障害についての知識があったら、

躁状態の時も治ったとは判断せず、長期的に妹の心の病を見守って
あげられたのではないか、と思っています。

 

うつ病は比較的、双極性障害より周囲から見て分かりやすい病だと思います。

テンションが高い状態だけを見ると元気になったか、
元々の性格のように思われるかもしれません。

でももし気分障害であれば治療が必要です。
以前にも書いたことがありますが、
病んでいる時の言動は本来の本人の姿とは異なります。

落ち込んだ状態に「怠けている、だらしない、もっと頑張れるはず」と
責めてもあまり効果がありませんし、逆に躁状態を無理に落ち着かせようとしても
難しいです。

理解をもって適切な治療を受けてほしいと思います。

うつ病の薬の効果と副作用を知っておいて欲しい

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病院で処方されるうつ病の薬には様々な種類のものがあります。
投薬治療にはメリットだけでなくデメリットや副作用もあります。

うつ病やこころの不調の治療で薬を使う場合、
そのメリットとデメリットを知り、
自身の判断で選んでほしいと思います。

ひとくちに“うつ病で処方される薬”と言っても
沢山の種類のものがあります。

日本では抗うつ剤には三環系、四環系、SSRI、SNRIなどの薬が
抗うつ薬として認可されています。

抗うつ剤は分かりやすく言いますと、
うつ病を“脳内伝達物質の不足”と捉え、その物質を増やす働きをします。
三環系の薬は作用が強いけれど副作用も強いと言われています。

四環系の薬は即効性がありますがやはり副作用が強い薬です。

SSRI、SNRIは最近主流になっている薬で、三環系や四環系よりも
副作用が少ないと言われていますが副作用がないわけではありません。

SSRIはルボックスやパキシルなどがあります。

こちらは強迫観念やパニック障害にも使われます。
SNRIにはトレドミン、デュロキセチン、サインバルタがあります。

 

また抑うつの症状だけでなく躁状態もある双極性障害の場合、
抗てんかん剤であるテグレトール、ラミクタールなども使われることがあります。

イライラ感や強い不安感、睡眠障害などの症状によって
他にも精神安定剤や睡眠剤が処方されることもあります。

 

私のうつ病経験から思う、薬の効果と副作用

以前、私と妹がうつ病の症状で通院していた頃、
同じ病名であっても処方される薬の種類と数は全く違いました。

私も妹も真面目に医師から言われた通りに服用してはいましたが、
それがどんな薬で、どんな副作用があるものなのかを調べてみることはしませんでした。

今は書店に行けば薬辞典もありますし、
インターネットで簡単に調べることもできます。

薬一つ一つを調べてみるとかなり重い副作用や、
うつ病の症状と同じものもあります。

私自身は作用の強い精神安定剤を服用して気管が詰まるような
感覚や意識障害があったことがありました。

副作用が辛くて何とか薬以外の治療法に切り替えたいと思っても
断薬には大変労力を費やしましたし、時間もかかりました。

うつ病治療の薬も他の薬…鎮痛剤などと同じく、
急性の症状には大変よく効いて楽になります。

不眠が続いて体力を消耗している時やひどい興奮状態の時には
有難さを感じると思います。

けれど根本治療にはならないので長期使用には注意が必要です。

食生活の改善や休養、環境の整備、自分自身を見つめ直す時間を取る事、
代替療法と並行することなども同時に進めて欲しいと思います。

こころの不調を感じる時、辛くて仕方ない時、
薬がもたらしてくれる安心感はとても有難いですが、
薬の種類と副作用だけでも自身で把握し、
ぜひ自分の意思で治療を進めていただきたいと思います。

ワーカーホリック(仕事中毒)とうつ病

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ワーカーホリックは仕事中毒または仕事に依存している状態を言います。

ワーカーホリックはアルコール依存症などと同じく依存症ですが、
他の依存症とは異なり、周りに問題点が見えにくいものです。

本人にとっても職場側としても“真面目に仕事をしているだけ”
という認識になりやすく、単に“仕事熱心な人”だと
思われることもあります。

日本では“奉公”という言葉があるように、
昔から仕事に身をささげて働く真面目な姿勢が美徳とされてきました。

サービス残業や、有給を取りにくい、
帰宅後や休日も仕事のことを考えているサラリーマンは
極当たり前に存在していたと思います。

しかし近年ではそのような心理状態だけでなく
完璧主義や負けず嫌いな性格がワーカーホリックに繋がることもあります。

ワーカーホリックにより、過労死や心臓疾患や脳疾患になることも
大きな問題ですが、心の問題を引き起こすことも重大な問題です。

 

もちろん、過労により生活習慣が乱れて
精神疾患に陥るケースもありますが、私はそれ以上に
ワーカーホリックになりやすい傾向にある人は
心の調子も崩しやすいように思います。

例えば

・ノーと言えない

・仕事を他の人には任せることができず、自分でやらないと気が済まない

・自分は休むに値しない人間だと思っている

・仕事を頑張ることしか自分の存在価値を見いだせない

・自己評価がとても低い

・働いていないと落ち着かない

・仕事をしていないといらいらする

など、これらの要素が強いとワーカーホリックだけでなく、
うつ病や強迫観念症などにも陥りやすくなります。

お酒や買い物、ギャンブルなどと同じく仕事も自分では止めたいのに止められず
コントロールできなくなってしまうとそれは依存症です。

上記の傾向が高まっていたら、
一度自分自身と向き合う時間を取ることをお勧めします。

もし家族や恋人がこのような状態であれば一緒に考え、
心に寄り添ってあげて欲しいと思います。

ワーカホリック(仕事中毒)でうつ病にならないために意識してほしい

しかしワーカーホリックは単に“仕事熱心”であることと
境界線が難しいので、もし気になったら

・仕事以外の場所に自分の休まる場所があるか(友達、家族など)

・仕事意外に熱中できる趣味があるか

・いつも「忙しい」が口癖になっていて、ゆっくりする時間が無くなっていないか

・生活習慣が仕事によって著しく乱れていないか

・自分は仕事をする以外には価値のない人間だと思っていないか
これらのことを改めて振り返ってほしいと思います。
人生の中で、“バランスはとても大切です。

何かに偏り過ぎたり、何かに依存して自分自身を振り返ったり
休めたりすることを忘れてしまうと心や身体を痛めてしまいます。

これから忙しい季節になっていくと思いますが、
心と身体を休める時間も取って下さいね。