心の不安を感じた時はどうしたら良いのでしょうか?

不安や緊張が強いとき、どうしたらいいのですか?

「気持ちが焦って落ち着かない」「ドキドキして不安」
といった症状は、「不安」や「緊張」といわれるもので、
普通の人なら、誰でも感じる感情であります。

 

日常においての心配や気になることがある、
初対面の人に会う、学校での試験の前、などに
このような症状を感じることは至って普通の
状態と言えます。

原因となる不安などがなくなれば、
症状も自然に消えてしまうものです。

 

問題は、そのような理由がないのに「気持ちが焦って落ち着かない」
「ドキドキして不安」などの症状が起こる場合です。

 

特に不安の原因がなく、それを感じる場合は
なんらかの病気であると考えられます。

 

病気による不安は普通の不安と全く違っており、
理由がないのに勝手に発生する、
あるいは多少の理由なのに異常に強い

不安原因がなくなっても消えないで続く、

などの特徴があります。

 

元々の正常な不安の存在は、今後起きる危険な状況に備えるために、
問題解決へ向かっての原動力になるという、元来人間にとって
必要な反応を自然に保持しているのに対して、


病気による不安は、何らかの心身的な精神疾患の前兆である
可能性があります。

 

上記のような原因がない不安を感じ、
それが「病的な不安」ではないか?と感じたら

一刻も早く精神科か心療内科を受診しましょう。

 

 

不安とはどういう症状?

その前にご自身で確認をするために
「不安」とはどういう状態をいうのか、

どんな病気が考えられるか?
予め、知っておくのはよいことです。

 

「不安」の定義

 

精神医学では「対象のない恐れの感情」となっています。

 

同様な言葉に「恐怖」というものがあります。
こちらは「対象が実在する場合」に用います。

 

不安は下記のような体の症状を伴います。

「心臓がドキドキして止まらない」(動悸)
「胸が締め付けられる」「呼吸が苦しい」「冷汗が出る」
「体が震える」「めまい・フラフラがする」「手足のしびれ」
「力が入らない」「尿の回数が多い」「のどが渇く」
「眠れない」「頭痛」「熱っぽい」など、

 

これらは自律神経、とくに交感神経の動作不良によるものです。

自分の心の感情と自律神経の働きは、
脳の中で密接に関連しているからです。

 

 

不安にはどのような種類があるのですか

急性、突発性の強い不安をパニックといいます。

パニック障害で著しくみられる不安症状で
例えば映画館の暗い場所に入った時などに
突然理由もなく強い不安に襲われることを言います。

 

動悸ー胸がドキドキして脈が速くなる、
胸が締め付けられて苦しい、呼吸ができない、めまいがする、などの
上記でお話した身体的な症状も同時に発生してしまい
死んでしまうのではないか?という状態になってしまうほどです。


ただし、これは、一時的なもので、時間が経つと
自然に消えてしまいます。

 

パニックの発作が度々繰り返される場合は、
「また襲われるのではないか?」という不安も新たに加わり

再度、パニックの発作が起きた時に、逃げられない、手だてがない、
誰にも助けてもらえない、といった場所や状況に行かなくなり
恐れる
という症状も更に加わります。

 

これは「恐怖症」という不安障害の一種にあたります。

・社交恐怖(人前で異常に緊張し、恥をかくことを恐れる)

・特定の恐怖症(高所、閉所、動物、暗闇など)」

もそれに当たります。

全般性不安

パニック発作に似ていますが、漠然とした強くない不安が
常に続く慢性的なタイプの不安症状のことを言います。


全般性不安は、全般性不安障害の病状にみられます。

強迫性障害、PTSDなども不安障害に分類される精神疾患で、
それぞれ特徴的な不安症状が現れます。

 

不安になる原因には
どのようなものがあるのですか?

不安障害は「不安」を主な症状とした精神疾患の位置づけであり、
パニック障害が代表的なものです。

 

一般身体疾患や物質などが原因で起きる疾患の例

一般身体疾患については

心不全、肺塞栓症、不整脈、慢性閉塞性肺疾患などの神経系疾患が
挙げられます。

 

原因となる物質については
カフェイン、覚せい剤など違法薬物、
アルコール、常飲していた鎮静剤、睡眠薬などを急にやめた時
生じる「離脱症状」などです。

これらは、見かけは「不安」という症状でも、
実際の原因は「身体疾患」や「物質」によるものです。

区別して診断治療にあたるには
きちんと検査するための受診が必要です。

これらのものは、症状によっては生命の危険性があります。

 

【受診する際の留意点】

薬物を摂取していた場合は医師に伝えることです。

そのほかにも、不安症状を伴う精神疾患はたくさんあります。

不安症状の発生しない精神疾患はほぼありません。